- 車買取時の営業トークとその対策方法を知りたい
車の買取では少しでも高く売りたいのは誰もが思うところでしょう。
しかし、買取店側はその逆に、少しでも儲けを多くしようと交渉してきます。いざ査定に出して買取を行う際には、売り手と買い手の駆け引きが発生します。
あるいは、どこで買取に出そうか迷っている段階で、試しに査定に出した業者が何としても契約をとろうと営業トークによって売却までこぎつけようとしてくることもあります。
査定に出す時には、業者が何をどう考えているか気になるところです。この記事では、車買取でしばしば出くわす営業トークのパターンとその対策法を中心にご紹介したいと思います。
車査定の営業トークのパターン集と交渉方法
買取業者によってお持ちの車が査定されたのち、査定額が提示され、交渉を行うことになります。
その際、相手側がどのような接客対応を行うかについては千差万別ですが、お互いにやることはお得な金額で契約を結ぼうとする行為です。
しかし、売り手・買い手ともにまったく同じ条件、立場で交渉しているわけでもありません。
売り手は他の買取業者と契約を結ぶ可能性があるため、買い手側は第一に自社で契約を結んでもらうことを意識しなければなりません。そういう状況のもとで交渉をするため、自然、他社を意識した営業トークが目立ちます。
裏を返せば、そのような相手の立場を分かっていれば、こちらが相手に飲まれて交渉で失敗してしまうことも避けられるでしょう。
では今からよくある営業トークのパターンとその対処の仕方を見ていきましょう。
1.「他ではいくらでした?」と他社の見積もり結果を聞いてくる
車買取店A「先ほどお伝えした金額でどうでしょうか?」
いざ査定額を提示されてしばらく話が進んで、こちらが悩んでいるところ、買取業者が次のようにトークしてくることがあります。
車買取店A「他の店でも見積もりを出してもらったと言ってましたが、だいたいいくらくらいでした?」
そう尋ねられると、
と、ついつい答えたくなりますが、これはNG。
車買取店A「では、58万円でどうですか?」
などと、他社よりも少し高めに値を提示する流れになります。こう言われると、なんとなくお得な気持ちになりますが、このような交渉の仕方をしてしまうと「店ごとの査定額に対する、相対的な判断」ができなくなります。
車の買取では、複数の業者で査定を行うのが高値で売るための鉄則です。様々な店で見てもらうことで、リアルな買取相場をつかみ、最高値をつけてくれる店を選ぶためです。
この営業トークでの流れでは、他社の金額を利用した提示額なので、この店の買取価格を正確に知ることができなくなります。
そこで、「他ではいくらでしたか?」と問われた場合、次のように対応しましょう。
他店での見積もり結果は答えないのがいいです。そして質問を質問で返すように、店の提示できる限界の金額を引き出すような流れに持っていくのがいいでしょう。
業者は査定をした段階で、その車両に出せる価格帯は分かっています。交渉中の気分や勢いで、店の儲けがなくなるような高値をつけることはありません。
2.「何円くらいなら、うちで売ってくれますか?」と希望額を聞いてくる
1のように業者が他社の見積もりを尋ね、こちらが切り返して対処したり、交渉がなかなか思うように運ばなかったりするような場面では、次のように聞いてくることもあります。
車買取店A「希望の金額とかってありますか?」
こう問われると、
と答えたくなりますが、そう明言してしまうと、こちらが自ら限界値を設定しまうようなものになります。実際には65万円以上に買取値アップできる余裕がまだあるとしても、希望額を口にしてしまうとそれ以上の金額を超えることはなくなってしまいます。
そもそもこちらは中古車売買に精通したプロではないため、前もって買取相場などを自分でリサーチしていたとしても、具体的な希望額を決めておくのは得策ではありません。
場合によっては、現実的でない希望額を設定していたため、相手が好意的な値を提示しているのにそうとは分からず、契約を蹴ってしまうなど交渉をもつれさせてしまうこともあるでしょう。
また、その場でなんとなくの金額を答えることも避けましょう。金額に関する言葉を口にする時には注意を払っておくのがいいです。
このように答え、1の対応のように「がんばって、いくらくらいまでいけますか?」「いくらが限界ですか?」と質問返しをするといいでしょう。
3.「今であれば〇〇円で買取も可能ですよ」とお得に見せかけてくる
他社に負けずに契約を取り付けるためには、即決してもらうことが重要になってきます。「一度帰って考えます」「他の店でも査定してもらいます」などその場を離れられては契約成立の確立が落ちてしまうのはどのような商売でも同じです。
車買取店A「もし今、決めていただけるのなら、そうですね…、これだけの値段までアップして買取できますよ」
即決を促す手としてよく用いられるのがこのような方法です。いかにも、今だけの特価のように言われると、かなりお得な気がしてきます。しかし実情は、まだまだ値をアップできるかもしれません。
この言葉に気をつけておきたいのはとりわけ、「この車はそれほど値がつきそうにない」とご自身で感じている場合です。
そのような車両を査定してもらい、この営業トークをされると、かなり無理して買取値をアップしてくれたという印象を受けてしまいます。
実際そういうこともあり得ますが、まずは「その提示した値、想定の範囲内なんだろう」と考えて対応するのがいいです。事実、他店で査定してみると、がんばった風に提示していたその金額をあっさり超えた、というようなケースもあるでしょう。
まずは乗らないようにするのがいいです。これに対して業者は説得するために、なぜ今だけ値段アップできるかを具体的に説明してくることもあるかもしれません。
例えば、ちょうど今その車を探している客がいるとか、フルモデルチェンジの時期的にそのうちこのモデルの査定額が落ちてしまう、など。
4.「上の者に相談してみます」と他のスタッフに交渉する
車買取店A「あともうひと踏ん張りですか? うーん、分かりました。ただ、私だけでは判断が難しいので、どうにか上司に掛け合ってみます」
買取店での査定であれば、上司のもとまで駆けていって…というような場面も。出張査定で自宅に訪問している場合には電話をかけて相談することもあるかもしれません。
車買取店A「〇〇円までならOKもらいました」
これが営業パフォーマンスでなかったとしても、事を大きくして人を動かしていると、心理的にあっさり断るのが難しくなります。
しかし車の売買なので、こちらだけ得をするというわけではありませんので、あくまでも冷静に対応しましょう。「そこまでやってくれるのか」としみじみ感じる必要はありません。
相手の口にする金額のみで、どう判断すべきか考えるようにしましょう。このような営業トークは交渉の後半に出てきやすいですが、こうなる前に、しっかり金額のやり取りをし、その店の評価を見極められたら理想です。
5.「他の業者では買い取ってもらえないですよ」
古い年式の車、走行距離が10万キロ前後の車、事故車や不動車などをお持ちの方の場合、査定に出す前から「どうせ売れないよな…」と感じているケースが多いです。交渉で不利な立場にいると思い込みやすく、営業トークにはまりやすいです。
車買取店A「正直、申し上げますと、この車両状態では買取値がつかないですね」
車買取店A「他店でも同じように査定されるか、お客様に費用を支払っていただいて廃車にするというような流れになるかと思いますよ」
車買取店A「ただ、うちではどうにか、そうですね…この値でなら買い取ることができます」
このようにこの店だけが特別扱いしていると思わせて買取成立させるような営業トークがあります。
しかし、古い車や状態が悪い車だからといって、まったく価値がないとも限りません。現在、廃車・事故車等に特化した買取店などもたくさんあります。
例えば、走行距離が十万を超える車でも日本車の人気の高い海外では、まだまだニーズがあって利益を生み出すことができます。
海外に販路を持つ買取業者であれば、買取できないどころか、想像以上の高値で買い取ってくれる店もあります。また事故車や不動車などでも、部品を再販することができますし、資源として利益にすることもできます。
そういう事情から、ご自身で車両の価値づけを行わないことがまずは大切です。そして、どんな車でも買取値がつくものだという態度で、できる限り高値をつけてくれる業者を探しましょう。
営業トークを心配せずに高額買取を実現する方法
よくある営業トークのパターンと対応方法をご紹介しましたが、それでもその場の状況で正確な判断を行い、的確な交渉ができるか不安だという方もいるでしょう。
例えば、業者が提示する査定額がそれなりに適正であるのに、こちらが交渉に力んで、まったく無茶な要求をしてしまうというようなケースも考えられます。
まずは大損しないような判断ができることがポイントで、次に、可能な限り、高値を引き出すことが大事です。
査定依頼をする前に買取相場をチェック
金額交渉をすることになるので、事前に車の買取相場を調べておくことから始めましょう。
ある程度、どれくらいの相場なのかを把握しておけば、目の前で提示される査定額が大損させられるような営業トークかどうか見極めることができるはずです。
ネットを使えば、様々なサイトで買取相場を知ることができます。車種や年式、グレード等を入力することで検索がかけられます。
簡易なものなのであくまでも概算となりますが、漠然としたイメージでもつかんでおくことで安心感を抱けるでしょう。
一括査定サービスで査定依頼がおすすめ
インターネットの情報で大まかな買取相場を知っておくことも役に立ちますが、実際に査定をしてみると大幅に値段が違っていたということもあり得ます。こんな場合、ネット情報か業者か、どちらが正しいのかと悩んでしまいます。
そのため実地において、リアルな買取相場をリサーチすることは必須です。現実の金額から相場を知るためには複数の業者で査定をする必要があります。
業者間で比較検討すれば、自然と適正な査定額の幅が分かります。できれば最低3,4社くらいで査定してみるのが望ましいです。
そのためには査定依頼をたくさん行わなければなりませんが、一括査定サービスならまとめて査定依頼ができるので、とても簡単で手間ひまがかかりません。
一括査定サイトを利用すれば、そのサイトと提携している買取業者に査定してもらうことになりますが、各業者は客が一括査定していることを知っています。
つまり、他社も査定していることが分かったうえでの査定・交渉となるので、あまり消極的な営業をしていれば契約できないという意識が強く、好意的な対応がされやすいです。
つい心配しがちな営業トークも、このような環境でならだいぶと気が楽になるはずです。
買取相場が実地で分かるうえ、業者間は他社を意識して買取額をアップしやすい状況です。可能な限り、交渉によって最高値を吊り上げて、最高額を提示してくれた買取業者と契約を結びましょう。
こういう流れができているので、営業トークが苦手という方も安心し、かつ満足して利用できるでしょう。一括査定はおすすめのサービスなので、ぜひ利用してみてください。
車買取の営業トークまとめ
車買取の営業トークをまとめると、以下の通りです。
- 「他ではいくらでした?」と他社の見積もり結果を聞いてくる
- 「何円くらいなら、うちで売ってくれますか?」と希望額を聞いてくる
- 「今であれば、〇〇円で買取も可能ですよ」とお得に見せかけてくる
- 「上の者に相談してみます」と他のスタッフに交渉する
- 「他の業者では買い取ってもらえないですよ」