ガソリン価格は日々変動しているものの、今後の見通しを考えるうえでは、短期・中期・長期それぞれの視点が欠かせません。
原油相場や為替レートだけでなく、税制の変更や環境政策、さらにはEVの普及状況によっても価格は大きく動きます。

たとえば、2025年末には長年続いていた暫定税率が廃止された一方で、燃料補助の段階的な縮小や炭素税導入の議論が進むなど、価格を押し上げる方向の動きが続いています。
こうした制度の変化は今後も定期的に行われる可能性があり、価格の下がり幅よりも上昇リスクの方が大きくなってきているのが現実です。
この記事では、過去の価格推移をふまえながら、数か月先から10年、20年先を見据えた価格の見通しを多角的に解説します。
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【2026年】最新ガソリン価格の推移

2026年1月現在、全国のレギュラーガソリン価格は1リットルあたり155.7円となっています。(参照:資源エネルギー庁『給油所小売価格調査』)
これは前週比で約2円の値下がりとなっており、年始時点ではやや落ち着いた水準です。
ただし、ガソリン価格は原油価格の変動や為替相場の影響を受けやすく、毎週のように上下しています。実際、2025年末には一時的に160円を超える週もあり、安定しているとは言いきれません。
今後も制度変更や支援策の見直しによって、価格の振れ幅が大きくなる可能性があります。2026年春には軽油の暫定税率廃止も控えており、引き続き価格の動向には注意が必要です。
ガソリンの「暫定税率」は2025年末に廃止された
2025年12月31日をもって、ガソリンにかかる暫定税率(1Lあたり25.1円)が正式に廃止されました。
これにより、税負担が軽くなった分、ガソリン価格が下がりやすくなる条件がひとつ加わった形です。
ただし、同時に適用されていた「燃料油価格定額引下げ措置(旧・激変緩和措置)」も段階的に縮小されており、価格全体への影響は地域や時期によってばらつきが出ているのが現状です。
一見すると「税が下がったからガソリンも安くなる」と思われがちですが、原油価格や為替相場の変動、地域の流通コストなど、他の要因も価格に影響します。
そのため、税制だけでなく総合的な視点で価格を判断することが重要です。
地域別のレギュラー平均価格ランキング
| 都道府県 | 平均価格(円/L) | 全国平均との差(円) |
|---|---|---|
| 愛知県 | 144.1 | -7.1 |
| 和歌山県 | 145.5 | -5.7 |
| 埼玉県 | 145.9 | -5.3 |
| 茨城県 | 147.2 | -4.0 |
| 千葉県 | 147.3 | -3.9 |
| 三重県 | 147.4 | -3.8 |
| 岐阜県 | 147.6 | -3.6 |
| 神奈川県 | 147.8 | -3.4 |
| 静岡県 | 148.3 | -2.9 |
| 大阪府 | 148.4 | -2.8 |
| 奈良県 | 148.8 | -2.4 |
| 福岡県 | 149.2 | -2.0 |
| 栃木県 | 149.6 | -1.6 |
| 滋賀県 | 149.7 | -1.5 |
| 兵庫県 | 149.8 | -1.4 |
| 香川県 | 149.9 | -1.3 |
| 山梨県 | 150.1 | -1.1 |
| 長野県 | 150.3 | -0.9 |
| 広島県 | 150.4 | -0.8 |
| 京都府 | 150.6 | -0.6 |
| 富山県 | 150.7 | -0.5 |
| 石川県 | 150.9 | -0.3 |
| 佐賀県 | 151.1 | -0.1 |
| 全国平均 | 151.2 | ±0.0 |
| 大分県 | 151.2 | ±0.0 |
| 福井県 | 151.5 | +0.3 |
| 岡山県 | 151.6 | +0.4 |
| 宮城県 | 151.8 | +0.6 |
| 群馬県 | 151.9 | +0.7 |
| 熊本県 | 152.0 | +0.8 |
| 山口県 | 152.4 | +1.2 |
| 愛媛県 | 152.5 | +1.3 |
| 新潟県 | 152.6 | +1.4 |
| 鳥取県 | 152.7 | +1.5 |
| 青森県 | 152.9 | +1.7 |
| 高知県 | 153.2 | +2.0 |
| 島根県 | 153.3 | +2.1 |
| 宮崎県 | 153.5 | +2.3 |
| 鹿児島県 | 153.8 | +2.6 |
| 長崎県 | 153.9 | +2.7 |
| 山形県 | 154.1 | +2.9 |
| 徳島県 | 154.3 | +3.1 |
| 福島県 | 154.4 | +3.2 |
| 秋田県 | 154.5 | +3.3 |
| 岩手県 | 155.3 | +4.1 |
| 沖縄県 | 156.0 | +4.8 |
| 東京都 | 156.3 | +5.1 |
上の表を見ると、ガソリン価格には都道府県ごとに明確な差があることがわかります。
最も安い愛知県(144.1円)と、最も高い東京都(156.3円)とでは、1リットルあたり12円以上の開きがあります。
レギュラーガソリンを月に50リットル入れると仮定すると、月600円以上の差になる計算です。
2026年1月時点の全国平均は151.2円で、これより安い地域は23都道府県、高い地域は24府県となっており、ちょうど半々に分かれている状況です。
ガソリン価格が安い地域に見られる共通点
上位には、中部・関東・近畿地方の県が多く並んでいます。特に愛知・和歌山・埼玉・茨城などは、人口が多く、給油所間の競争が激しいエリアでもあります。
こうした地域では、価格競争が起こりやすく、比較的安価な価格帯で維持されやすい傾向があります。
また、流通インフラが整っている地域では、配送コストが抑えられることも、価格を下げる一因となっています。
ガソリン価格が高い地域の特徴
逆に、価格が高めの地域には離島を含む沖縄県や、輸送コストがかかりやすい山間部・北東北エリアが多く見られます。
東京都も上位に入っていますが、これは地価や人件費の高さ、店舗運営コストが価格に反映されやすいことが背景にあります。
さらに、競合店が少ないエリアでは、価格調整の余地が少ないため高止まりしやすいという事情もあります。
このように、ガソリン価格は単に「高い・安い」だけでなく、地域ごとの事情や構造的な要因によっても大きく左右されています。
ガソリン価格の短期予測(来週〜数か月)

ガソリン価格は日々変動しており、特に数日から数か月単位の短期的な動きには、いくつかの要因が大きく関わっています。
なかでも、以下の3つは価格に与える影響が非常に大きいとされています。
| 要素 | 主な特徴 | ガソリン価格への影響 |
|---|---|---|
| 原油価格 | 国際市場で変動、産油国の動向・地政学リスクに影響 | 原油高=価格上昇/原油安=価格下落 |
| 為替レート | 円安で輸入価格が上昇、円高で輸入コストが低下 | 円安=価格上昇/円高=価格抑制 |
| 政策・制度 | 補助金や税制の変更によって価格が変わることがある | 補助あり=価格抑制/廃止=価格上昇 |
たとえば、中東の緊張による原油価格の高騰や、急激な円安が続くといったケースでは、ガソリン価格も数週間のうちに反応して上昇する可能性があります。
また、政策による価格抑制措置が行われれば、短期的には市場の動きとは異なる価格帯が維持されることもあります。
このように、短期のガソリン価格は3つの要素の組み合わせで日々変化しているため、ニュースや価格推移をチェックする際は、それぞれの背景をセットで見ておくことが重要です。
今後5年間のガソリン価格はどう動く?

中期的なガソリン価格の動きは、次の3つの要素が重なり合って決まっていきます。
単なる原油相場や為替の変動だけでなく、制度や社会の構造変化が大きな影響を与える時期に入っているのが特徴です。
| 要素 | 内容の概要 | 価格への影響傾向 |
|---|---|---|
| 脱炭素政策と税制 | 炭素税や燃料課税の強化、新制度導入の可能性あり | 税負担増=価格上昇へ |
| 原油相場の動向 | OPEC+の増減産/新興国の需要増/地政学リスク | 需給逼迫=価格上昇/需給緩和=下落 |
| EV普及とガソリン需要 | ガソリン車の減少→需要低下。ただし流通コスト増も | 価格が下がる要素と上がる要素が混在 |
3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
1. 炭素税と制度変更がガソリン価格に与える影響
今後5年間のガソリン価格に大きな影響を与えるのが、税制の見直しと環境対策に関する新たな課税制度です。
すでに2025年末には、長年続いてきた「暫定税率」が廃止されましたが、それに代わる新たな税制度の導入も議論されています。
とくに注目されているのが、CO₂排出量に応じた課税=炭素税です。
これは環境負荷の高い燃料ほど税率が高くなる仕組みで、ガソリンも対象になる可能性があります。もし炭素税が導入されれば、原油価格とは別に、税制面での価格上昇リスクが加わることになります。
今後のガソリン価格を考えるうえでは、市場だけでなく政策の動きも注視する必要があるという点は、見落とせません。
2. 国際原油市場と為替の動きが中期価格を左右する
中期的なガソリン価格の動きは、国際原油市場の不安定さにも大きく左右されます。
たとえば中東地域の緊張、OPECプラスによる減産発表、主要国の景気動向など、あらゆる要素が原油相場に影響を与えます。
また、中国やインドといった新興国では今後もエネルギー需要が高まり続けると見られており、これが原油価格の押し上げ要因になる可能性があります。
さらに、日本の場合は原油をほぼ全量輸入に頼っているため、為替の動きも無視できません。
円安が進めば輸入価格が上がり、ガソリン価格にも波及します。こうした国際要因と為替の組み合わせによって、中期的な価格は上下の振れ幅が大きくなる傾向があります。
3. EV普及でガソリン価格はどう変わるのか?
一見すると、EV(電気自動車)の普及によってガソリンの需要が減れば、価格も下がるように思えます。しかし実際には、需要が減っても価格が下がりにくい構造的な要因がいくつか存在します。
ひとつは、ガソリンスタンドの維持や輸送などの固定的なコストです。需要が減ってもインフラはすぐには縮小できないため、1リットルあたりの運用コストが高くなる傾向があります。結果として、価格が高止まりしやすくなります。
都市部と地方で価格の傾向が異なる点も見逃せません。
都市部では価格競争が起こりやすく、ある程度抑えられやすい一方で、地方では店舗数が少なく、流通コストもかかるため、価格が上がりやすい構造になっています。
今後のガソリン価格は、「需要が減る=安くなる」とは限らず、むしろ流通構造の変化によって価格が二極化する可能性もあると考えられます。

このように、今後5年間のガソリン価格は「一方向に大きく動く」というよりも、複数の要因が複雑に絡み合いながら、ある程度の幅の中で上下を繰り返す展開になると考えられます。
価格の変動に備えるには、税制度の動向と原油相場のトレンドを定期的にチェックしておくことが大切です。
10年後・20年後・30年後のガソリン価格はどうなる?

将来的なガソリン価格の見通しは、短期や中期と比べてさらに不確実性が高まります。
とはいえ、長期的に見ると「下がる可能性」と「上がる可能性」がそれぞれ異なる要因から生じてくることが見えてきます。
まず、下がる方向への圧力としては、やはりEV(電気自動車)の普及が最大のポイントです。
10〜30年のスパンで見ると、ガソリン車の販売が縮小し、走行車両全体に占める割合も年々減っていくと見られています。
車の買い替えサイクルを踏まえると、20年後には国内の乗用車の多くが電動化されていても不思議ではありません。
その結果、国内のガソリン需要は長期的に減少していくことが予想されます。
一方で、価格が上がる要因もあります。たとえば、需要が減ったことで流通量が減り、スタンドの統廃合や物流網の縮小が進めば、1リットルあたりの流通コストはむしろ上がる可能性があります。
また、ガソリン車が少数派になればなるほど、税制上の見直しや新たな課税の対象にされるリスクも高くなります。
さらに、世界的なエネルギー政策の流れや、原油の埋蔵量・生産コストの変化も加味すると、ガソリンそのものが特殊な燃料として扱われる時代が来る可能性もあります。
今よりも「高くても必要な人が使う」という選択制の商品になるかもしれません。

このように、10年後・20年後・30年後のガソリン価格は、単に「安くなる/高くなる」という一方向の予測ではなく、需要の減少と供給コストの上昇という相反する力がせめぎ合う構造になると考えられます。
価格が大きく下がる可能性はあるものの、それがすぐに家計に恩恵をもたらすとは限らない点に注意が必要です。
ガソリン価格の将来に備えるには?予測を踏まえた対策

これまで見てきたように、ガソリン価格は原油相場や為替だけでなく、税制や国際情勢、EVの普及など多くの要因が重なり合って動いています。
今後も短期・中期・長期それぞれのタイミングで価格が変動する可能性が高いため、日常生活や車の維持費における備えがますます重要になってきます。
では、価格の変化を見越して、どのような対策が取れるのでしょうか。
ガソリン価格への対策
ここでは、具体的に意識しておきたい4つの視点を紹介します。
1. 無駄な給油を避ける比較と計画
ガソリン価格は、同じ地域内であっても店舗ごとに数円から十数円の差が出ることがあります。
この差は一回の給油では小さく見えても、年間を通して積み重なると無視できない金額になります。
価格比較サイトやアプリを使って、普段の行動範囲にある安い店舗をいくつか把握しておくと、給油先を迷わずに済みます。
特に、通勤ルートや買い物ついでに立ち寄れる場所を基準に選んでおくと、無理なく続けやすくなります。
また、残量がギリギリになってから慌てて給油すると、価格の高いタイミングや店舗を選ばざるを得なくなりがちです。
燃料計に余裕があるうちから相場を確認し、単価が落ち着いている時期に計画的に給油する意識を持つことで、結果的にムダな支出を抑えやすくなります。
2. 車の維持費全体を見直す
ガソリン価格が上がると、どうしても燃料代ばかりに目が向きがちですが、車にかかる費用はそれだけではありません。
自動車保険料、税金、駐車場代、車検費用などを含めて考えることで、負担の全体像が見えてきます。

たとえば、走行距離が短いにもかかわらず保険内容が過剰になっている場合や、使用頻度に対して維持費が高くなっているケースもあります。
一度立ち止まって、今の使い方に合った内容かどうかを見直すだけでも、負担を軽くできることがあります。
また、日常の移動距離や利用目的によっては、燃費の良い車種への乗り換えや、車を使う回数そのものを減らすといった選択が合う場合もあります。
ガソリン代の上昇をきっかけに、車との付き合い方を整理する視点も大切です。
3. 長期的にはEV・ハイブリッドへの切り替えも視野に
今後の動きを見ると、ガソリン車を取り巻く環境は徐々に変化していく可能性があります。
燃料価格だけでなく、税負担や環境対策の方向性を踏まえると、将来的な維持費の見通しも含めて考える必要があります。
電気自動車やハイブリッド車は、走行時の燃料費を抑えやすい点が特徴です。
特に日常の移動距離が決まっている場合や、街乗りが中心の場合には、維持費の差が実感しやすくなります。
また、時期によっては補助金制度や税の優遇が用意されていることもあり、条件が合えば初期の負担を抑えながら切り替えられるケースもあります。
すぐに乗り換える必要はなくても、選択肢として把握しておくことで、将来の判断がしやすくなります。
4. 乗らない選択肢として売却やカーシェアも
もし車の使用頻度がそれほど高くないのであれば、所有し続けること自体を見直すのも現実的な選択です。
維持費は、乗っていなくても発生するものが多く、ガソリン価格の上昇が続くと負担感がより強くなります。
価格が高止まりしている時期に売却すれば、相場の面で有利に働く可能性もあります。使わない時間が増えている車ほど、早めに判断した方が納得しやすいケースもあります。

必要なときだけ車を使うカーシェアやカーリースといった使い方も、すでに身近なものになっています。
所有にこだわらず、使う頻度や目的に合わせて手段を選ぶことで、ガソリン価格の影響を受けにくい暮らし方につなげることができます。
まとめ|ガソリン価格の推移は複数要因で決まり、備え方が重要
ここまで解説してきたとおり、ガソリン価格の推移は原油価格や為替、税制や補助策、地域ごとの事情が重なり合って決まっています。
直近では暫定税率の廃止という大きな制度変更がありましたが、価格が単純に下がるわけではなく、今後も上下を繰り返す構造は変わっていません。
これまでの内容を振り返ると、次の点がとくに重要でした。
- 2026年1月時点の全国平均は151円前後で、週ごとに変動している
- 暫定税率は廃止されたが、原油や為替、補助策の影響で安定していない
- 地域差が大きく、最安値と最高値では10円以上の開きがある
- 短期の価格は原油相場、為替、政策の影響を強く受ける
- 中長期では脱炭素政策やEV普及により、上昇要因と抑制要因が混在する
このような前提を踏まえると、ガソリン価格に対しては、単に安い時期を待つよりも、日常の行動や車の持ち方を見直す視点が重要になります。
次に、今後に向けた具体的な考え方を整理します。
地域内でも店舗ごとの価格差は大きいため、普段使う範囲の相場を把握しておくことが基本です。価格比較サイトや過去の推移を確認するだけでも、無駄な支出を抑えやすくなります。
燃料代だけでなく、保険や税金、駐車場代を含めた総額で考えると、負担の見え方が変わります。使い方に合わない支出がないかを確認することが大切です。
燃費の良い車への乗り換え、EVやハイブリッドの検討、使用頻度が低い場合は売却やカーシェアを選ぶなど、状況に応じた選択肢を把握しておくと判断がしやすくなります。
ガソリン価格の推移は、短期間で大きく変わることもあれば、数年単位でじわじわ影響が出ることもあります。
価格そのものをコントロールすることはできませんが、情報を把握し、行動を調整することで影響を小さくすることは可能です。
今後も推移を確認しながら、自分の使い方に合った判断を重ねていくことが、納得のいく車との付き合い方につながります。

