自己破産した車は買取査定額で処分が変わる? 査定書や車を取られない方法を解説

自己破産

借金が増えてしまうことで完済が困難になることがあります。その場合には自己破産をするのも1つの方法です。

自分の人生を立て直すための方法でもあるのですが、車を手放すことになるのではと不安に思う人もいるでしょう。

住んでいる地域によっては車がないと、生活が非常にしにくくなる可能性があります。そこで自己破産とはどういうものなのか、また車は手放す必要があるのかなどについて詳しく調べてみます。

目次

「自己破産」とはどういうことか解説

借金がある人たちに対して、国が用意している合法的な手段が債務整理と呼ばれるものです。借金を減らしたり、ゼロにしたりできる方法になります。

自己破産も債務整理の1つで、現在の借金をゼロにできるのが特徴です。

ただし自分の持っている資産を手放して、その資産を売却した額を債権者に対して平等に分配する仕組みになっています。借金をゼロにできる分、自分も最低限度以外の資産を手放す必要がある最終手段です。

「自己破産」とはどういうことか解説

自己破産したら所有する車はどうなるのか

プラス・マイナス評価につながるパーツ

自己破産をした場合に、自分が所有している車はどうなるのかといった点ですが、問答無用で処分されることはありません。

  • 初年度登録から5年が経過している
  • 車査定による現存価値が20万円以下

原則としてこの2つの内、いずれかに該当すると処分しなくてすみます。ただし上記に当てはまらなくても、必要があると裁判所が判断した場合は処分しなくてもよいです。

よく聞く「任意整理」と「自己破産」の違い

税金の計算をする男性

債務整理には幾つかの方法があり、自己破産もその1つです。他にも債務整理の中には任意整理があります。この任意整理と自己破産の違いについても確認します。

  • 任意整理は借金を減額する
  • 任意整理は減額する債権者を選べる
  • 自己破産は借金をなくす
  • 自己破産はなくす借金を選べない

といった違いがあります。債務整理の中でも最も軽いものが任意整理なので、自己破産とはまったく別物だと言えるでしょう。

任意整理すると所有する車はどう扱うのか

では任意整理をした場合、所有する車はどう扱われるのでしょうか。

  • 自動車ローンには手をつけずに他の借金が減額できる
  • 自己破産のように資産を手放す必要はない

自己破産は資産を手放す必要があるので、条件に当てはまる車以外は所有できません。しかし任意整理なら車を手放す必要がありません。

また自動車ローンで購入した車でも、そのローンは残せるのです。結果として任意整理だと、強制的に車を手放さずにすみます。

「個人再生」とは裁判所に認可決定を受け借金を減額してもらう手続き

メモをする男性

債務整理にはもう1つ個人再生と呼ばれるものがあります。自己破産だと借金はゼロにできますが、資産は手放すしかありません。しかし個人再生だと借金を5分の1にまで減額するにとどまります。

他方で財産を処分する必要がありません。自己破産では自宅を手放すことになるので、手放さなくてもすむ方法ということでスタートしたのが個人再生になります。

裁判所を通す手続きは似ていますが、中身としては大きく違っています。

個人再生したら所有する車はどうなるのか

代車に乗る女性

個人再生をした場合の車の扱いも確認しておきましょう。

  • 自動車ローンを完済している車なら残せる
  • 自動車ローンの残債があるのなら、車はローン会社に引き上げられる

といった形になります。既に支払いが終わっている車については、処分をしなくてもすむ形です。ただローンの残債がある場合、車は金融機関の抵当に入っている状態なので、引き上げられてしまいます。

ちなみに再度車を購入することはできますが、ローンを組むのが難しくなるので現金購入になるでしょう。

自己破産した場合に車を残せるケース

では自己破産をした場合に車を残せるケースを見ていきましょう。自己破産をしても、問答無用で車は処分されません。様々な条件があり、それに該当すると処分せずにすむのです。

ここでは自己破産でも車を残せる条件を見ていきます。

自己破産した場合に車を残せるケース

①ローンが残っていない(完済している)場合

白い車を見る査定士

自動車ローンを既に完済しているケースから見ていきます。

  • 車査定で20万円以下の価値しかない
  • 初年度登録から5年経過している

この2つの条件の内、いずれかを満たしていると車を手元に残せるのです。

ローンなしでも車の現存価値が20万円を超えると裁判所から没収

上述したように自動車ローンを既に完済している場合、車の価値を査定することになります。この時に使う査定ですが、実は一般的な中古車買取店ではなく、日本自動車査定協会のものが一般的です。

車の価値というのは自分で証明する必要があり、そのため自己破産の申立をする前に査定を受けます。

この車査定で20万円を超えると、手元には残せません。裁判所から没収されて、売却されることになります。

ただし以下のような条件がある場合は、処分されないこともあるのです。

  • 身体障害者の身内がいて病院に通うのに必要
  • 高齢で車がないと生活できない

などのケースが該当するでしょう。しかし飽くまでも例外的な措置となるので、裁判所に認めてもらうだけの理由がないと残しておけないです。

車の現存価値が20万円以下&初年度登録から5年が経過

保険について説明する男性

自己破産で車を処分されない条件が、以下のうちいずれかであるケースです。

  • 車査定による価値が20万円以下である
  • 初年度登録から5年が経過

先述したように自己破産をする前に、車の査定を受けておく必要があります。一般的にはJAAIこと、日本自動車査定協会のものが使われるでしょう。この査定で20万円以下なら車は手元に残ります。

また初年度登録から5年が経過している場合も、ほぼ車を手元に残せるでしょう。この場合は査定を受ける必要もありません。

ただし国産車ではなく、輸入車の場合だと5年経過でも価値が高いかもしれません。そのため輸入車だと、5年以上でも査定を受ける必要があります。

②ローンが残っている場合はローン会社が没収する

ディーラーに車を引き渡す最中

自己破産時にローンを完済している車については上記の通りですが、ローン残債がある場合はどうなるのでしょうか。原則として自動車ローンを利用していて、残債がある場合は車の所有権名義はローン会社のはずです。

そのためローンを完済して所有者の名義を書き換えるまでは、車はローン会社のものとなっているのです。自己破産を受ける人は車の使用者という形になります。

こうした形になっているので、自己破産をすると車は引き上げられるのです。

  • 裁判所ではなくローン会社に車が取られる
  • 車を残す方法はない

といった特徴があります。車検証を確認して、所有者の欄がローン会社になっているとこの状態です。

借金のうち自動車ローンだけを一括返済するのはできないのか

落ち込む男性

では自己破産の申請をした後で、自動車ローンだけを返済すれば問題ないのではと考える人もいるかもしれません。しかし自己破産を申請してしまうと、自動車ローンだけを返済できないのです。

  • 自己破産が決まると債権者に平等に資産から返済される

という原則が自己破産にあるからです。こうした自動車ローンだけを返済すると、偏頗弁済という形になります。

これでは債権者が平等にはなりません。そのため自動車ローンのみを返済してはいけないと考えてください。どうしても車を残したいのなら、自己破産をする前に返済する必要があります。

ただ一括で返済する必要があるので、残債の額によって自己破産を考えている人だと難しい選択肢でしょう。

「第三者の弁済」だと車を残せるが車の査定額「20万円以上」だと×

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では第三者が自己破産を申し立てしている人に代わって、自動車ローンを完済したという場合はどうでしょうか。このケースを第三者弁済と呼んでいて、ローンを完済した場合は所有権留保がなくなります。

第三者弁済によって、自分が車の所有者になったとしましょう。しかしその場合は、ローン完済を既に行なっているのと同じ状態になります。つまり車査定で20万円以上だと、所有は認められません。

③査定額が20万円を超える車でも没収されない場合もある

最後に車を査定した結果として、20万円を超えていたとしましょう。この時に車が没収されないケースもあります。この条件を満たす場合は、特別に認められるので確認しておくといいです。

査定額が20万円を超える車でも没収されない場合

【ケース①】財産の合計が99万円以下の範囲内

現金とグラフと虫眼鏡

自己破産が裁判所に認められたとしましょう。しかし無一文の状態で資産もないとなると生活ができません。そのため自己破産をしても99万円以下の資産は、自由財産といって最低限手元に残せるのです。

仮に車の査定額が40万円だったとします。この時に自分の手元に残っている財産が50万円だったとしましょう。この場合だと合計しても90万円なので、限度額である99万円は超えません。

このケースだと車も自由財産の範囲内と解釈できます。そのため車を引き続き所有しても良いと判断されることがあるのです。

ONE POINT
絶対にそうなるとは言えないのですが、確率としては高いでしょう。この点は担当の弁護士と相談するのがおすすめです。

【ケース②】家族の介護や通院(病気の治療)など正当な理由がある

家族に対して営業する男性

車査定の結果が20万円以上であり、自由財産としても認められないケースがあります。その場合でも前段でお伝えしたように、正当な理由があれば車が残せるかもしれません。

  • 親の介護などで通院に車が必要であるため
  • 移動手段が他に見当たらないケース

などのように、かなり限定された条件になっています。そのためこのケースが認められる確率は低いでしょう。裁判所の判断によるので、いかに車が必要かをアピールしないといけません。

自己破産の際の車の査定書の取得方法

窓口の男性

自己破産の際には日本自動車査定協会で車の査定をしてもらうのが一般的です。何故なら査定書という書類が必要になるためです。車買取業者の査定ではダメなのと思われる人も多いでしょう。

車買取業者では無料で査定を受けられるのですが、査定書の発行はほぼしていないからです。この査定書は有料になるのですが、裁判所に提出するので発行してくれる日本自動車査定協会が使われるのです。

では実際にどのように依頼するのか流れを見ておきます。

  1. 全国各地にある日本自動車査定協会の事務所に連絡をする
  2. 出張査定で対応になるので日時を決める
  3. 有料で査定書を発行してもらう

といった流れで車の査定を受けてください。

【疑問】自己破産をしたら車のローンは組めなくなるのか

本を開いたビジネスマン

最後に自己破産をした場合、次に乗る車はローンで購入できるのでしょうか。結論からお伝えすると、自己破産から5年以上の経過でローンが組める可能性が出てきます。

なぜこのような状態になるのか、理由は以下の通りです。

  • 自己破産をすると個人信用情報に記載される
  • ローンを組む前に審査があり、個人信用情報が照会される
  • 個人信用情報の内容は審査に大きな影響がある
  • 自己破産の記載があるとローン審査に非常に通りにくい
  • 5年以上の経過で自己破産の記載が抹消される

といったような理由があります。

まとめ

自己破産

自己破産をした時の車は買取査定の額で処分は変わるのかについてでした。自己破産をすると、原則として財産は処分することになります。

そのため車も処分することになるのですが、所有権の名義が自分にあると没収されないケースがあります。

このケースでは先ず初年度登録から5年が経過している車だと、裁判所に車は没収されません。また日本自動車査定協会から車の査定を受けて、20万円以下だと没収されないと考えて良いでしょう。

この記事を書いた人

「もっと価値を見つける」をテーマに自動車の買取現場に立ち会い数多くの交渉を経験。現在は自動車買取メディアの立ち上げから運営、さらに自ら車売買を行うため古物商を取得(奈良県公安委員会第641180000388号)。WEBメディアを通じて分かりにくいことを分かりやすく解説し、リユースに関する正しい知識を提供し、適切な判断ができるように情報を発信中。

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