車を売ろうとしたとき、「リサイクル券がないと手続きできないのでは?」と不安になる方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、車買取の際にリサイクル券は原則として不要です。リサイクル料金の預託状況さえ確認できれば、券そのものがなくても売却手続きは進められます。
リサイクル料金の預託状況はインターネットで簡単に照会でき、券が手元になくても証明書を印刷することで対応可能です。(参照:自動車リサイクル促進センター)
この記事では、リサイクル券の仕組みや紛失時の証明書を発行する手順などを、初心者にもわかりやすく整理しています。
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リサイクル券がなくても車売却に必要なし


車を売却するときに「リサイクル券が手元にないと取引できないのでは」と不安に感じる人は少なくありません。



しかし結論から言うと、車買取や売却の際にリサイクル券そのものは必須ではありません。
大切なのは、リサイクル料金をすでに支払っているかどうかの情報であり、その預託状況さえ確認できれば取引は可能です。
実際に買取業者やディーラーで手続きを行う場合も、リサイクル券がなくても車検証やシステムから支払い状況を照会できるため、査定や売却が止まることはありません。
ただし、リサイクル券を持っていればやり取りがスムーズになることは事実です。提出を求められる場面もあるため、紛失せずに車検証や自賠責保険証と一緒に保管しておくのが安心です。
筆者が過去に売却をしたときも、ダッシュボードにリサイクル券を保管していたため、査定時のやり取りがスピーディーに進みました。手元にあるなら必ず持参し、ない場合も慌てずに「リサイクル料金の預託証明」を確認できるようにしておけば十分です。
車買取に必要なリサイクル券の料金と特徴


リサイクル券とは、自動車を廃車にする際に必要となる「リサイクル料金」をあらかじめ支払ったことを証明する書類です。
2005年に施行された自動車リサイクル法に基づき、所有者が廃棄物処理や資源の再利用にかかる費用を前払いする仕組みが導入されました。そのため現在販売されているすべての車には、購入時にリサイクル料金を支払うことが義務づけられています。
リサイクル券には、支払った料金の金額や内訳、発行番号などの情報が記載されています。
リサイクル券は新車購入時や中古車購入時にディーラーや販売店舗から発行されるもので、車検証と同じくダッシュボードに保管している人も多いでしょう。
新車購入時や中古車購入時にディーラーや販売店舗から発行されるもので、車検証と同じくダッシュボードに保管している人も多いでしょう。
料金の目安 | |
---|---|
軽自動車 | 6000円~1万6000円程度 |
普通自動車 | 10000円~18000円程度 |
中・大型トラック | 10000円~16000円程度 |
車種や装備によって金額が変わるのは、エアバッグやエアコンの数などによって処理費用が異なるためです。
車を売却するとき、リサイクル券自体は必須ではありませんが、記載されている情報は買取額の計算や還付処理に影響します。買取業者にとっても、リサイクル料金が適切に支払われているか確認する重要な書類のひとつといえます。
リサイクル預託金の内訳は3つの項目で構成されている
リサイクル料金として前払いするお金は「リサイクル預託金」と呼ばれ、3つの項目で構成されています。
- シュレッダーダスト(解体後に残る廃材)・エアバッグ・フロン類の処理にかかる費用
- 情報管理料金
- 資金管理料金
まず1つ目は、車を廃棄するときに発生するシュレッダーダスト(解体後に残る廃材)・エアバッグ・フロン類の処理にかかる費用です。これらは安全性や環境への影響が大きいため、確実に処理できるよう前払い方式が取られています。
2つ目は、情報管理料金です。これは自動車リサイクルシステムを運営するための費用で、所有者が支払った料金や処理の進捗を管理する仕組みに使われます。金額は一律で約130円と定められています。
3つ目は、資金管理料金です。預託されたお金を適切に保管し、処理業者へ支払うまでの間に管理するための費用で、こちらも一律で約290円です。
車種や装備によってエアコンの台数やエアバッグの数が異なるため、預託金の総額には差がありますが、どの車でもこの3つの費用が基本的な内訳になっています。
普通車と軽自動車の車検ではリサイクル券は不要


リサイクル券は自動車を廃車にするときに必要となる書類ですが、車検を受ける際には提示を求められることはありません。
なぜなら、リサイクル料金は新車購入時や中古車購入時にすでに支払うことが法律で義務づけられており、車検の段階で改めて料金を納める必要はないからです。
そのため、普通車でも軽自動車でも、車検を受けるときにリサイクル券を提出することは不要です。
車売却ではリサイクル料金が原則還付される


車を売却するとき、すでに支払っていたリサイクル料金は「還付」というかたちで戻ってくるのが原則です。
これは、自動車リサイクル法に基づいて「廃車時に発生する処理費用」を前もって預けているお金であり、車を廃車にせずに売却した場合、その預託金が実際に使用されることはありません。
そのため、車を手放すタイミングで次の所有者に引き継がれることになり、売却時には査定額にリサイクル料金が上乗せされるのが一般的です。
とくに車買取業者を利用する場合、このリサイクル料金が査定額に含まれているかどうかは非常に重要な確認ポイントとなります。
車買取の査定額にはリサイクル料金が含まれている
車の買取額には、リサイクル料金がすでに含まれているケースがほとんどです。これは、売却する車のリサイクル料金が次の所有者に引き継がれるため、その分が査定時に加味される仕組みになっているからです。
たとえば「査定額100万円」と提示された場合、そのうち1万円〜1万5,000円程度がリサイクル料金であり、実質的な車両本体の評価はそれを差し引いた金額ということもあります。
一見高く見える金額でも、リサイクル料金が含まれているかどうかで「本当の査定額」に差が出るため、複数の業者を比較する際は注意が必要です。
実際に筆者が車一括査定を利用して複数の買取業者とやり取りした際、提示された金額にリサイクル料金が含まれているかどうかの説明が業者によって異なっていました。
なかには「リサイクル料は別で返金します」と明言する業者もあれば、「買取額にすでに含まれています」とだけ伝える業者もありました。
このような違いに気づかずに判断してしまうと、数万円単位で損をする可能性があります。
大手車買取店におけるリサイクル料金の返金状況
車を売却する際、リサイクル料金がどのように扱われるかは買取店によって微妙に異なります。
とはいえ、手の車買取店では基本的に「リサイクル料金は査定額に含まれている」と考えて問題ありません。
すべての店舗で明細にリサイクル料金を明記しているわけではないため、事前に確認することが大切です。
車買取店 | 査定額にリサイクル料の表示 | 返金方法 |
---|---|---|
ガリバー | なし | 買取金額に含む |
ビッグモーター | なし | 買取金額に含む |
アップル | なし | 買取金額に含む |
ユーポス | なし | 買取金額に含む |
カーセブン | なし | 買取金額に含む |
ラビット | なし | 買取金額に含む |
T-UP | あり | 買取金額に含む |
オートバックスカーズ | なし | 買取金額に含む |
ネクステージ | あり | 買取金額に含む |
カーチス | なし | 買取金額に含む |
このように、ほとんどの買取業者ではリサイクル料金を査定額に含めたうえで提示しています。
金額の内訳が明確に開示されないケースもあるため、「リサイクル料金は別途返金されるのか、査定に含まれているのか」を事前に確認しておくことが重要です。
提示金額の比較だけで判断せず、実質的な受け取り金額まで含めて検討するようにしましょう。
廃車でリサイクル料は返金される?返金されるケースと注意点


車を廃車にする際、「支払ったリサイクル料金は返金されるのか?」と気になる方は多いと思います。



結論から言うと、基本的には返金されませんが、条件次第で戻ってくるケースがあります。
そもそもリサイクル料金とは、自動車リサイクル法に基づき、廃車時の処理費用を前払いしておく制度です。廃車を前提とした費用であるため、車を実際に解体・処分する場合には、料金が使われることになり、返金対象とはなりません。
しかし、以下のような例外的なケースでは、リサイクル料金の返金を受けられる可能性があります。
- リサイクル料金を預託した車を海外へ輸出する場合
- 廃車予定だった車をリサイクル処理せずに再販売した場合
- 車を売却した時点でリサイクル料金が査定額に含まれていたが、売却後に処理されず輸出された場合
こうした場合、自動車リサイクル促進センターに対して申請を行うことで、預託金の一部または全額が返金されることがあります。
ただし、申請には車台番号や登録情報、手続き内容に関する書類が必要で、返金されるまでに数ヶ月かかることもあります。
そのため、「リサイクル料が返金されるケースかどうか」を事前に確認し、該当する場合は買取業者や廃車代行業者に相談してみるのがおすすめです。
リサイクル券を紛失しても再発行不可


リサイクル券は、一度紛失してしまうと再発行はできません。これは制度上、リサイクル券そのものを再発行する仕組みが存在していないためです。
しかし、リサイクル券が手元になくても買取や売却ができないということはありません。重要なのは「リサイクル料金がすでに預託されていること」を証明できるかどうかです。そのための代替手段として活用できるのが、「リサイクル料金の預託状況証明書」の発行です。
この証明書を使えば、リサイクル券を紛失していても、支払い済みであることを第三者に示すことができ、買取業者でも問題なく対応してもらえます。



筆者自身も、以前リサイクル券を紛失した状態で買取査定を依頼しましたが、証明書を提示することでスムーズに手続きを進めることができました。
リサイクル券の証明書を発行する手順


リサイクル券を紛失してしまった場合でも、車を売却するために必要な「リサイクル料金の預託状況」はオンラインで確認できます。


その際に利用するのが、自動車リサイクルシステム(通称:R-net)の公式サイトです。
ここで発行できる「預託状況の確認書類」を印刷すれば、リサイクル券の代わりとして提出できます。


証明書の発行手順は以下の通りです。
「自動車リサイクルシステム」と検索し、国土交通省が所管するR-netの公式ページを開きます。
サイト内にある「ユーザー向けサービス」から「リサイクル料金の検索」を選択します。
車検証を手元に用意し、「車台番号」「登録番号(ナンバー)」など必要事項を入力します。
検索結果に表示された「リサイクル料金の預託状況」のページを印刷し、書類として保管または提出します。
この手順は特別な登録も不要で、プリンターとインターネット環境さえあれば5分ほどで完了します。
もしプリンターがない場合でも、コンビニのネットプリントや家族・知人に協力を依頼するなどの方法で準備可能です。
車買取前に活用したい高価査定につながる車一括査定サイト


車一括査定サイトの大きな強みは、「業者同士の競争が生まれやすい」という点にあります。1社だけに依頼した場合と違い、複数社が同時に査定に参加することで、他社よりも高く買い取ろうとする動きが起きやすくなります。



筆者が以前利用した際も、最初に提示された金額から最終的に約8万円ほどアップした経験がありました。
また、サイトによっては「リサイクル料金が含まれているかどうか」などの細かい条件まで比較しやすくなっており、最終的な受け取り額を把握しやすいのもメリットです。査定は通常1分~3分程度で申し込みが完了し、入力項目もシンプルです。
「できるだけ高く売りたい」「損せずスムーズに手放したい」という方には、まず一括査定サイトを活用して相場と業者の傾向を把握することをおすすめします。
まとめ|車買取で知っておきたいリサイクル券の扱い
ここまでの内容を振り返ると、車を売却するときのリサイクル券に関する疑問は、次のように整理できます。
- リサイクル券そのものはなくても売却は可能
- リサイクル券を紛失していても、証明書を発行すれば問題なし
- 査定額にリサイクル料金が含まれているかどうかは業者ごとに対応が異なる
- 廃車の場合は原則返金されない
- 一括査定サイトを活用することで、リサイクル料金の扱いも含めた比較がしやすくなる
次に、リサイクル券がない場合の対処法も確認しておきましょう。
リサイクル料金証明書を発行する手順は次のとおりです。
「自動車リサイクルシステム」と検索してR-netの公式ページを開きます。
ユーザー向けサービスから、リサイクル料金の検索ページに進みます。
車台番号やナンバープレート番号などを入力して検索します。
検索結果画面を印刷して、書類として保存または業者に提出します。
この証明書があれば、リサイクル券を紛失していても安心して売却手続きを進めることができます。



リサイクル券の扱いは業者によっても説明に違いが出やすいため、買取額の内訳までしっかり確認できる業者を選ぶことが損しないコツです。
とくに一括査定サービスを活用すれば、「リサイクル料込みかどうか」まで含めて複数業者を比較できるため、これから売却を考えている方にはとても有効な方法です。
損せず、スムーズに愛車を手放すためにも、ぜひ事前にしっかり準備して進めてください。