- 車買取業者の詐欺手口について
車買取業者に愛車を売却するのであれば、査定額の比較検討を行うだけでなく、悪質業者の詐欺にも注意しなければいけません。
ディーラー下取りが車を売る方法として主流だった時代とは異なり、最近では中古車を狙った車買取業者の詐欺が全国的に報告されています。
悪質業者の詐欺は巧妙化が進んでいますし、前もって詐欺手口を知っておかないと中古車を騙し取られる結果になりかねません。こうした状況を踏まえ、車買取業者の代表的な詐欺手口11種類のほか、騙されないために押さえておきたいトラブル回避術を解説します。
《実在》車買取業者の”詐欺手口11種類”最新詐欺の実態を暴く
上の画像のとおり、近年自動車の売却トラブルは増加してきています。そのため、中古車を売るときに注意すべき車買取業者の詐害手口においては、二重査定による減額や入金完了前の音信不通などが一般的に知られています。
車買取業者の最新詐欺を含む詐欺手口11種類の詳細をそれぞれ確かめ、車買取業者の詐欺被害を避けるうえで参考にしてみましょう。
詐欺手口 | 詐欺の内容 |
---|---|
再査定(二重査定)による減額 | 入金前になって減額の電話連絡が来る |
価値ある車でも安く買い叩く&即決を迫る | 買取相場を無視した低額で即決を迫る |
車を引き渡したのに入金されない | 倒産寸前の車買取業者や知名度が低い車買取業者などに持ち逃げされる |
引渡しもしていないのに解約できない | 買い手を理由に売買契約の解約を断ったりしてくる |
クーリングオフ可能だと虚偽の説明で契約強要 | クーリングオフ可能だと虚偽の説明を行い、契約を強要する |
入金完了前に買取会社が倒産 | 入金完了前に車買取業者が倒産する |
売却契約をしていないのに車をもっていかれる | 出張査定にきた悪質業者は車の修理費用を調べる名目で車を持っていったりする |
契約当日に当初より少ない査定額が提示される | 口頭で告げられていた査定額に対して、売買契約書に記載された金額が全く違う |
売却代金より高い高額な解約料(キャンセル料)を請求 | 車の売却額よりも高いキャンセル料を請求 |
3ヶ月近くたって契約解除を申し入れてきた | 車買取業者が瑕疵を把握したタイミングが3か月以内のときには契約解除 |
査定して引き渡した車を返却された | 瑕疵担保期間を使って破損した車を返却してくる |
【詐欺手口1】再査定(二重査定)による減額
車買取業者の詐欺手口として特に有名な二重査定は、車の引き渡し後に再査定で車の査定額を減額する詐欺手口です。
二重査定の詐欺手口では一般的に以下のような流れで被害が発生します。
流れ① | 車買取業者から車査定で高額な査定額を提示される |
流れ② | 売買契約を結んで車買取業者に車を引き渡す |
流れ③ | 入金前になって減額の電話連絡が来る |
流れ④ | ほかの車買取業者を大きく下回る査定額で車の売却を迫られる |
流れ⑤ | キャンセルを求めると法外なキャンセル料を請求される |
二重査定を目的にした悪質業者は、後から減額をするつもりなので、ほかの車買取業者よりも車査定で高額な査定額を提示してきます。
査定額に魅力を感じて悪質業者と売買契約書を交わしてしまうと、車を引き渡した後に瑕疵担保責任などで査定額の減額を主張されます。
瑕疵担保責任に基づく再査定は車買取業者の正当な手続きに相当しますが、二重査定では大幅な査定額の減額を避けられません。
【詐欺手口2】価値ある車でも安く買い叩く&即決を迫る
価値ある車を安く買い叩き、その査定額で即決を迫る詐欺手口は悪意を持った車買取業者の常套手段です。
このような詐欺手口が用いられると以下のような被害が起こります。
ケース① | 高価買取を見込める人気車種などが買取相場を無視した安値で買い叩かれる |
ケース② | 相応の査定額を期待できる車が0円で引き取られる |
車買取業者が提示した査定額に自信を持っている場合には、車査定で売却の即決を迫る必要はありません。
査定額が高額ならば二重査定が心配されるものの、車買取業者が低額で即決を迫るときには買い叩かれている可能性が高くなります。
【詐欺手口3】車を引き渡したのに入金されない
車買取業者と売買契約を交わし、必要書類と車を引き渡した後には、通常であれば1週間以内に入金の手続きが行われます。
車を引き渡した後にいつまでたっても入金されないのなら、車の持ち逃げを疑わなくてはいけません。
車の持ち逃げは車の個人売買における詐欺被害として知られますが、車買取業者に車を売却するのであっても起こりうる詐欺被害です。
【詐欺手口4】引渡しもしていないのに解約できない(買い手がいる)
車買取業者に車を売却する際には車を引き渡していないのに売買契約を解約できないケースがあります。
バックオーダー方式の車買取業者は、買い手を確保したうえで車を仕入れるため、買い手を理由に売買契約の解約を断ったりします。
買い手がいる車買取業者は売買契約書にキャンセル不可を記載しますので、車の引き渡しにかかわらず売買契約の解約は望めません。
キャンセル不可は詐欺に見えるかもしれませんが、厳密にいえば売買契約書をよく確認しておかなかったことが原因のトラブルになります。
【詐欺手口5】クーリングオフ可能だと虚偽の説明で契約強要
自らの意思が曖昧なまま申し込んだ訪問販売などの契約を解除できる制度が一定期間に限って手続き可能なクーリングオフです。
車買取業者が用意する売買契約書でも、必ずクーリングオフを適用できないことが記載されています。
その一方で、車買取業者の中にはクーリングオフ可能だと虚偽の説明を行い、契約を強要する悪質業者が含まれています。
悪質業者は口頭でクーリングオフ可能と繰り返しますが、もちろん売買契約書にはクーリングオフできないことを書いています。
売買契約後のキャンセル不可もあり得ますし、車買取でクーリングオフをアピールする車買取業者は悪質業者に数えられるでしょう。
【詐欺手口6】入金完了前に買取会社が倒産(音信不通)
車買取業者に車を引き渡した後には入金待ちとなりますが、入金完了前に車買取業者が倒産するケースは実際に報告されています。
音信不通で入金が遅いことを抗議しに行ったら、実店舗で倒産の張り紙が貼ってあるなど、こうした状況は詐欺手口で無くても起こり得ます。
ただし、車査定で高価買取を提示されていた場合には、悪質業者の計画倒産に巻き込まれた可能性が少なくありません。
悪質業者が車を騙し取ったのであれば、車は即座に転売されるため、売却額の回収は非常に難しくなります。
【詐欺手口7】売却契約をしていないのに車をもっていかれる
車買取業者に出張査定を依頼すると、指定した日時に自宅などで車買取業者の車査定を受けられます。
査定額を高めるうえで出張査定は大いに役立ちますが、売却契約なしで車を持っていく詐欺手口も存在するので注意してください。
車の売却を決断していなくても、出張査定にきた悪質業者は車の修理費用を調べる名目で車を持っていったりします。
【詐欺手口8】契約当日に当初より少ない査定額が提示される
車査定で算出された査定額の有効期限は車買取業者によって異なり、基本的に3日から1週間ほどしかありません。
売買契約のタイミングが有効期限よりも遅くなった場合には、当初の査定額よりも少ない査定額の提示になったりします。
とはいえ、口頭で告げられていた査定額に対して、売買契約書に記載された金額が全く違う詐欺も発生しています。
相応の査定額を事前に提示されていても、車を売却する相手が悪質業者なら売買契約書で0円扱いかもしれません。
【詐欺手口9】売却代金より高い高額な解約料(キャンセル料)を請求
車の売却はクーリングオフの対象外ですが、売買契約書でキャンセルが認められていれば契約後にキャンセルを実行できます。
契約後のキャンセルも見据えているのなら、売買契約書に記載された以下の内容を契約前に確認しなければいけません。
- 契約解除の受付期間
- 解約料と算出方法
契約解除の受付期間は短い傾向があり、長く設定している車買取業者でも1週間程度です。
車や必要書類を引き渡していないタイミングには基本的に無料キャンセルを期待できますが、悪質業者は無料キャンセルに応じていません。
むしろ売買契約書で法外なキャンセル料が定められていますので、車の売却額よりも高いキャンセル料を請求されたりします。
悪質業者は契約時にキャンセル料を口頭で説明しないため、自分で売買契約書を読んでおかないとキャンセル料を負担する事態に追い込まれます。
【詐欺手口10】3ヶ月近くたって契約解除を申し入れてきた
車買取の売買契約では売却した車に瑕疵があると売り手が責任を担保する仕組みになっています。
これは「瑕疵担保責任」と呼ばれ、瑕疵担保責任が適用される期間は瑕疵担保期間の項目として売買契約書に記載されます。
瑕疵担保期間は一般的に2か月から3か月なので、車買取業者が瑕疵を把握したタイミングが3か月以内のときには契約解除をされかねません。
車の売却額を新車購入に充てていても、契約解除となれば売却額の返金を求められてしまいます。
【詐欺手口11】査定して引き渡した車を返却された
車買取業者と車の売買契約を結び、車を引き渡した後に車買取業者が買い取った車を破損しても、売り手の責任にはなりません。
引き渡した車の返却を車買取業者が希望することはほぼありませんが、瑕疵担保期間を使って破損した車を返却してくるケースはあり得ます。
また、引き渡した車を犯罪行為に悪用したうえで返却しているかもしれませんし、パーツなどの交換も心配されます。
車査定を受けて引き渡した車を車買取業者が返却してくる場合には、車の状態を確かめてから別の車買取業者に再び売却する手間もかかります。
実際にトラブルにあった場合は消費生活センターにすぐ相談
もしも車の売却で詐欺被害に遭った場合には、地方公共団体が設置する消費生活センターにすぐ相談しましょう。専門の相談員に相談できる消費生活センターは、消費生活全般に関する問い合わせや苦情などに対応した行政機関です。
消費生活センターでは、相談窓口として全国統一番号の消費者ホットライン188を開設しています。消費者ホットラインで相談するには、以下の個人情報を相談員に告げる必要があります。
- 氏名と住所
- 電話番号
- 性別と年齢
- 職業
氏名や住所といった個人情報は、消費生活センターが円滑な相談処理を実施するために確認されています。
ガリバーやビッグモーターで買取詐欺?それは誤った認識
言わば買取詐欺に遭ったという口コミは車買取業者に付き物で、ガリバーやビッグモーターでも稀に出ています。
ガリバーやビッグモーターなどに対して買取詐欺との意見が見られるのは、基本的に利用者側の誤った認識が関係しています。
車査定で全く同一の車は存在せず、車の査定額はJAAIの査定評価基準に応じて算出されます。買取相場と比べて低額にしかならない車はありますし、車の状態によっては買取詐欺と利用者が勘違いする査定額にもなってしまいます。
さらに売り手が把握していなくても、中古車の売却では車を引き渡した後に瑕疵が見つかりかねません。ガリバーやビッグモーターが瑕疵を見つけた場合には、瑕疵担保責任で再査定などを行いますから、これも詐欺という勘違いにつながっています。
瑕疵担保責任での減額を避けたいときには、ガリバーやビッグモーターのクレームガード保証を利用してみましょう。
もう騙されない!車買取・査定の詐欺に立ち向かうトラブル回避術
知名度が低い車買取業者と安易に契約しないことや、車買取業者に古物商許可証の提示を求めることが代表的なトラブル回避術に数えられています。
車買取や車査定の詐欺に立ち向かうトラブル回避術としては、このほかにどのような方法を役立てられるのでしょうか?
【重要】詐欺に騙されないために信頼ある”JADRI加盟業者”を選ぶ
車買取業者の詐欺に騙されるリスクをそもそも避けたい場合には、JADRI加盟業者に車査定を依頼する方法が向いています。JADRIの名称で定着している日本自動車流通研究所は、営利を目的とせず、公共性の高い事業展開を実践している一般社団法人です。
JADRIは優良な事業者のみをJADRI加盟業者として認めることで、中古車流通業界における質の向上に寄与しています。
車買取業者がJADRIに加盟するためには、厳しい審査を受ける必要がありますし、JPUGの自主規制ルールも守っていなくてはいけません。
JADRI加盟業者は相互に監視し合う仕組みですから、詐欺の心配なく車を売りたいときにはJADRI加盟業者を売却先に選びましょう。
優良業者多数のナビクル車査定なら『高価買取×安心』
詐欺被害を受けない安心感を優先しつつ、車の高価買取も目指したいときには、車一括査定のナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)が役立ちます。
ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)は提携業者がJADRI加盟業者に限られていました。現在、JADRIは廃止されましたが、ナビクルにはJADRIに加盟していた多くの買取業者と提携しています。
そのような経緯から、ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)の提携業者はいずれも安心できる車買取業者です。
ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)で複数社の競合を起こせるのなら、高額を提示した優良業者を選んだうえで価格交渉を行えます。
車一括査定としては提携業者の数が少ないものの、安心しながら価格交渉を実行できることは、かんたん車査定ガイドの大きな利点になるでしょう。
車買取業者の詐欺手口まとめ
車買取業者の詐欺手口をまとめると、以下の通りです。
- 二重査定や法外なキャンセル料のほか、車買取の即決を迫るなどが悪質業者の代表的な詐欺手口
- 車の売却に関する詐欺被害を受けた場合には、消費生活センターの消費者ホットライン188や警察に相談