- 車査定前の洗車について
車査定を受ける前の洗車は意味がないといった意見が見られる一方で、逆に洗車で査定額アップを期待できるという意見も出ています。
査定額への影響を心配して車の洗車や清掃に注力する人だけでなく、売却する車の洗車や清掃の手間を省く人も珍しくありません。
買取業者に車査定を依頼するのであれば、事前に車の洗車や車内清掃を済ませておくべきなのでしょうか?洗車で得られるメリットや査定前の洗車方法に加えて、車の内装と査定額の関係や清掃を要する内装のポイントをまとめてみました。
車査定前の洗車で査定額が上がることはない
車査定の直前に洗車をしたからといって、それだけで車の査定額が大幅に上がることはありません。必ず買取業者は買取が決まった車の洗車や清掃を自ら実践しますし、査定前に洗車をしてもプラス査定ほどには影響が出ないのです。
車査定で査定士が欠かさずチェックする内容は、以下の通りになっています。
- 車種の需要
- 年式と走行距離
- 外装や内装の状態
- 骨格や機関系の状態
- 修復歴の有無
見た目の美しさは天候や査定士の主観で評価が変わってしまうため、車査定の明確な評価基準には含まれていません。とはいえ、車査定の前に行う洗車が無意味なわけではなく、洗車をすることで避けられるリスクは豊富にあります。
【根拠】洗車が効果的な理由は”査定員へのアピール”
車査定の前に洗車しても査定額アップはほぼ見込めませんが、査定員へのアピールといった意味では洗車が大いに役立ちます。見た目を洗車で綺麗にしておけば、査定士が状態の良い車と判断して、車の査定項目を甘めに評価してもらえるかもしれません。
洗車していない車なら雑に扱われている車と判断されかねず、これでは査定士も査定額ダウンにつながる要因探しに力を入れてしまいます。
また、車査定で査定額ダウンを防ぎたいのなら、査定士には横柄な態度ではなく社交的に接することも心がけてください。洗車にあわせて臭い対策を含む車内清掃も行い、外装と内装を清潔に整えたうえで車査定を依頼する手順が望ましくなっています。
車査定・買取前におすすめの洗車方法と清掃方法
車査定を受ける前の洗車では、通常の洗車と異なり、車査定を見据えた洗車方法と清掃方法を駆使しなくてはいけません。選ぶべき洗車方法のほか、水で砂やホコリなどを落とす場合や洗車用スポンジを使う場合の注意点を確かめてみましょう。
【外装】洗車は手間・費用かけない(ワックス掛けはNG)
車査定前の洗車は手間や費用をかけない方法で構いませんので、ワックス掛けやボディコーティングは必要ありません。ワックス掛けは念入りに行うことが重要であり、中途半端なワックス掛けは車のこまかな傷を目立たせてしまいます。
外装が清潔でもプラス査定ほどにはなりませんし、高額なボディコーティングを実行しても差額で費用の回収は見込めません。車の洗車に手間をかける余裕が無いときには、素早く手軽に洗車できる洗車機の活用も選択肢のひとつです。
洗車機には種類が複数存在していて、主な種類は以下の通りになります。
- 門型洗車機
- ドライブスルー洗車機
- ノンブラシ洗車機
洗車機で車を傷つけたくない場合には、水圧で汚れを吹き飛ばすノンブラシ洗車機が向いています。ただし、ノンブラシ洗車機は下回りの洗浄をほとんど行えませんから、手洗いを併用するダブル洗車で対応しましょう。
【洗車ポイント1】水で砂や埃などのゴミを落とす
車査定前の洗車では、まずはじめに、水をかけて洗い流せる程度の砂やホコリなどのゴミを落としていきます。水道の蛇口にホースをつなげて強めの水圧にする方法で問題なく、車の3周分ほど水をかければ大丈夫です。
汚れの下に外装の傷や凹みが残っていると、これらを隠そうとしていたように疑われかねません。
洗車によって傷や凹みをしっかり見せることがポイントになりますから、洗い残しにはくれぐれも注意してください。
【洗車ポイント2】表面に傷をつけない洗車用スポンジで軽く洗う
ホースを使った強めの水圧で車に付着したゴミを洗い流した後には、車の外装に大粒の水滴が残ります。このような水滴をそのまま放置していると、イオンデポジットやウォータースポットの原因になってしまいます。
水でゴミを洗い流したのなら、外装の水滴を利用しつつ、柔らかい洗車用スポンジで汚れを落としていく手順が必須です。
車査定前の洗車で洗車用スポンジを使う際には、車の表面に傷をつけないように優しく撫でる方法を徹底しましょう。
【内装】車内清掃は査定額に影響する!ポイントは『4つ』
車の外装に汚れが付着する原因は様々ですが、内装の汚れは基本的に運転者やその家族によって積み重なります。もちろん内装の汚れは車の査定額に影響しますので、車査定の前にはポイントを押さえた対処を進めておかなくてはいけません。
【ポイント1】ゴミや汚れなどを掃除&ふき取る
車査定前の車内清掃では、高額な車内クリーニングこそ不要ですが、ゴミや汚れには掃除と拭き取りでの対処が欠かせません。車内清掃で特に注意すべき箇所は以下の通りです。
- 足元にあるマットの表側と裏側
- 背もたれとシートの隙間
- 内窓とダッシュボード
- グローブボックスとコンソールボックス
足元のマットは取り外して洗い、マットを取り外した後には車内掃除機を使ってゴミを吸い取る方法が適しています。背もたれとシートの隙間にも車内掃除機が活躍しますし、内窓とダッシュボードの汚れには雑巾での拭き掃除がおすすめです。
車査定を受ける前には車内から荷物を運び出す必要がありますから、グローブボックスとコンソールボックスの内側も確認しておきましょう。
【ポイント2】消臭対策する(重曹・中性洗剤・消臭スプレーなど)
車査定では車内の臭いが評価基準に含まれ、タバコの臭いやペット臭が残っていると減点対象に数えられます。車内清掃でゴミや汚れを取り除いた後には、換気に限らず、以下の消臭対策もいずれかを実践してください。
- 重曹水の吹き付けと拭き取り
- 薄めて使える中性洗剤での拭き掃除と拭き取り
- 車用の消臭スプレー
- スチームタイプの消臭剤
重曹は臭い取りに重宝しますが、本革シートに使用すると変色のリスクを避けられません。中性洗剤も消臭対策をした箇所が変色しかねないため、純粋な水で絞った雑巾の2度拭きを十分に行いましょう。
【ポイント3】チャイルドシートを外してシートの凹みを整える
チャイルドシートは車査定の対象ではなく、査定時にはチャイルドシートの取り外しを求められます。車査定の前にチャイルドシートを一度も取り外していない場合には、チャイルドシートの下にゴミや汚れが集中しているかもしれません。
また、チャイルドシートには重量が10キログラムを超えるものもありますし、ずっと同じ位置に固定しているとシートに凹みが発生します。
【ポイント4】ペットがいる場合は消臭&掃除を念入りに
犬や猫などを飼っていると車でのお出かけを一緒に行う機会は珍しくありませんが、ペットの臭いや毛は以下のような減点対象になります。
- ペットの臭いが車内に残っていると40点の減点
- ペットの抜け毛などが付着していると40点の減点
1点は1,000円ほどで計算されるため、クラス係数を考慮しなければ、臭いと毛の減点で8万円ものマイナス査定を免れることができません。将来的に車の売却を見据えているときには、普段から消臭と掃除を念入りに行っておくことが推奨されます。
さらにペットの臭いがエアコンに染み付いている場合では、エアコンの清掃をしないとペットの臭いが落ちない恐れもあります。
エアコンの消臭を目的にするのであれば、エアコン用の消臭スプレーやスチームタイプの消臭剤が力を発揮するでしょう。
ボディに傷や凹みが見つかっても修復する必要はない
車のボディに傷や凹みが存在しないと査定額を期待できますが、車査定前に見つけた傷や凹みなら、それらを修理する必要はありません。
傷や凹みの修理費用は、車査定で発生する傷や凹みのマイナス査定よりも高くなりやすく、小さな傷や凹みでも同額程度に相当します。
車の査定額で修理費用の回収は望めないので、車のボディに傷や凹みが見つかったときには修復を諦めてマイナス査定を受けてください。
中には買取業者に迷惑をかけることを心配する人もいるかもしれませんが、買取業者は一般的に自社工場や提携工場に車の修理を依頼します。
車査定前の洗車まとめ
車査定前の洗車についてまとめると、以下の通りです。
- 車査定前に洗車を行っても車の査定額アップは得られない。ただし、査定士へのアピールを目指すうえで洗車は欠かせない