- 車買取の売買契約書で見るべきポイント
車の売却はクーリングオフの適用対象外であって、売買契約書を交わした後にキャンセルを申し込むとキャンセル料が請求されかねません。
買取業者が定める解約期間を過ぎているのなら、業者によるキャンセル拒否も起こってしまいます。悪質業者に騙された場合には、車の売却後に買取金が振り込まれないことや、再査定による査定額の減額などの心配もあります。
車買取のトラブルを避け、契約で騙されないためにも、車買取の売買契約書で必ず見るべき鉄則11箇条を知っておきましょう。
そもそも車買取で必要となる¨売買契約書¨とは?「法的効力のある紙」
売り手と買い手の間で交わす売買の取引内容を書面にしたものが、車買取で必要となる売買契約書です。売買契約書は2通作成して売り手と買い手の双方が保管する流れとなり、売買契約書には契約内容の履行を請求できる法的効力があります。
双方が売買契約書にサインと押印をすれば契約の締結に該当するものの、売買契約書では必ず以下の項目を確認しなければいけません。
- 車買取における売買の「合計金額」
- 売却金額の「支払時期と支払方法」
- 車台番号や登録番号といった売買する「車両の基本情報」
- 自賠責保険料や自動車税を含む「諸費用」
- 引き渡し場所や引き渡し方法も記載する「車両引渡日」
- 「登録名義変更日」や「名義変更期限」
- 売り手が責任を担保する「瑕疵担保期間」
- 契約成立後の「事故の責任」
- 車売買契約を解除する際の「キャンセル規定」
- 個別ケースに応じた契約内容が記される「特約事項」
車買取の売買契約書には決まった書式がありませんから、売買契約書の具体的な内容は買取業者に応じて多少異なります。
もう騙されない!車買取の売買契約書で見るべき『鉄則11箇条』
売買契約の相手が悪質業者であれば、詐欺被害や法外なキャンセル料などお金のトラブルに巻き込まれてしまいます。車買取の売買契約書にサインをする前に把握しておくべき、鉄則11箇条の内容をそれぞれ確かめてみましょう。
【鉄則1】売買の合計金額
車買取の売買契約書にある売買の合計金額では、車をいくらで買い取るのか、その合計金額が記載されています。売買の合計金額にて確かめなくてはならない鉄則は以下の通りです。
チェック① | 査定額や口頭で告げられた金額と売買契約書の合計金額に差があるかどうか |
チェック② | 還付を受けられる税金などの扱い |
チェック③ | 最終的に受け取れる合計金額 |
車査定で提示された車の査定額は、一般的に有効期限が3日から1週間ほどになっています。売買契約を結ぶタイミングが遅くなると、売買契約書に記載された売買の合計金額が査定額よりも安くなる傾向があります。
また、車の買い手が悪質業者なら、口頭で説明した合計金額と売買契約書の合計金額に差が出ているかもしれません。口頭の説明ではなく売買契約書の記載事項が優先されるため、車買取で売買の合計金額を確かめる手順は必要不可欠です。
自動車税の還付は前もって自分でも計算しておくことが望ましく、車買取では最終的に受け取れる金額の確認も欠かせません。
【鉄則2】売却金額の支払時期と支払方法
車買取の売買契約書にある売却金額の支払時期をチェックしておかなければ、売買契約後にいつまでもお金が支払われないリスクが生じます。
主な支払方法では銀行振り込みや現金渡しですが、一括と分割のどちらで支払われるのかといった記載の有無もよく確かめましょう。
【鉄則3】売買車両の基本情報
車買取の売買契約書では、以下のような売買車両の基本情報が記されています。
- 車名
- 塗色
- 型式・年式
- 車台番号
- 登録番号
売買車両の基本情報に並んでいる車台番号は車体に打刻された番号であって、エンジンルームのダッシュパネル部分などに備わっています。
車台番号で車の素性はほぼ判明しますので、こまかい車の基本情報が売買契約書に記載されないケースも珍しくありません。
【鉄則4】諸費用
車買取の売買契約書における諸費用の項目では、買取業者によって違いも見られますが、基本的に以下の内容が箇条書きされています。
- 自動車税
- 自賠責保険料
- リサイクル料金
いずれも車買取に応じて返金対象となる項目であり、もしも売買契約書にこれらが記載されていない場合には扱いの確認を要するでしょう。
とはいえ、買い手は総じて諸費用の後出し請求を嫌いますから、諸費用の項目が無くても合計金額の項目に明記されている場合がほとんどです。
【鉄則5】車両引渡日
車買取の売買契約書でまずはじめに確認すべき項目が、売却した車を買取業者に引き渡す車両引渡日です。車両引渡日は名義変更とは別であって、通常においては契約成立時に車を引き渡す流れになります。
売買契約書にサインをするときには、車の即日引き渡しを考慮したうえで判断しなくてはいけません。車両引渡日の項目では、車の引き渡し場所や引き渡し方法も記載されますので、対応できるかどうかも重要なポイントに数えられます。
【鉄則6】登録名義変更日・期限
車買取の売買契約書にある登録名義変更日・期限は、買取業者が買い取った車の名義変更を手続きする予定日に関する項目です。
もちろん名義変更の手続きは買取業者が代行してくれますし、車買取にて名義変更手続きそのものは心配ありません。
その一方で、名義変更が手続きされるまで車は売り手の所有物になりますから、4月1日における自動車税の課税には注意してください。
【鉄則7】瑕疵担保期間
車買取の売買契約書に記された瑕疵担保期間では、瑕疵担保責任が何日間適用されるのかを示しています。瑕疵担保責任とは、売却した車に瑕疵があった場合に売り手が責任を担保することを意味した項目になります。
売り手は買い手に瑕疵担保責任で保証をしますので、瑕疵担保期間に以下の瑕疵が見つかれば損害賠償請求をされかねません。
- 車体の傷や動作不良など申告されていない不具合
- 申告されていない事故歴や修復歴
瑕疵担保期間のトラブルやリスクを避けたいのなら、自分で把握している不具合や修復歴などを車査定で正直に申告しましょう。
査定士とのやり取りを録音しておいたり、売買契約書に記載された瑕疵担保期間の説明を担当者に求める方法も適しています。
【鉄則8】契約成立後の事故の責任
車買取の売買契約書では、契約成立後の事故の責任という項目が存在します。契約成立後に買取業者が買い取った車で事故を起こした場合には、常識的に買い手である買取業者が責任を負うことになります。
このような当然ともいえる内容が記載されているのが、契約成立後の事故の責任です。項目としての内容は単純なものの、事故の責任を明記しない悪質業者と契約すれば、契約成立後でも事故の責任を負わされる可能性があります。
契約成立後に買い手がつけた車体の傷を、引き渡し前からあった傷と言い張る悪質業者も見られます。売買契約書に事故の責任という項目が含まれていない際には、これの明記を忘れずに申し入れましょう。
【鉄則9】契約の解除(契約後のキャンセル規定)
車買取の売買契約書に記載された契約の解除は、契約後のキャンセル規定に関係する項目です。買取業者からすると契約の解除は一度得た利益を失うことを意味しますから、主に以下のような内容が記されています。
- 契約解除の可否
- 契約解除を受け付ける期間
- 違約金の有無とその算出方法
車の売却はそもそもクーリングオフの対象外なので、契約後に必ずキャンセルを望めるわけではありません。
契約解除を受け付けている期間は最大でも7日ほどしかなく、違約金の支払いについては買取業者によって対応が異なります。
【鉄則10】契約解除にかかる損害金(売買代金の〇%)
車の売却の契約とは「クーリングオフ」が適用されないため、注意しないといけません。クーリングオフとは一定期間内であれば無条件に契約をキャンセルできる制度ですが、これは消費者を守るためのものです。
車の売却に関しては消費者とはならないため利用することはできません。そのため、売却契約書に「契約した後にキャンセルする場合違約金が発生する」と書かれていた場合、原則従わないといけません。
そして、契約解除にかかる損害金ですが「買取金額の○%」もしくは「10万円」というのが相場となっています。
「キャンセル料は発生しないと虚偽の発言」「違約金について書かれた部分がわかりづらくしてある」といったことがあれば、無条件に契約をキャンセルできる場合があるので、その場合は消費者センターや弁護士に相談しましょう。
【鉄則11】特約事項
売買契約書の最後に記載され、最重要の項目として知られるのが、様々な契約内容をまとめた特約事項です。特約事項には、売買契約書の基本的な項目として並んでいない約束ごとが勢揃いしています。
買い手が定めた条件なども包含するため、特約事項の確認を徹底しないと詐欺被害を受けるリスクにつながりかねません。
買取業者が有利になる事柄が書かれていたり、売り手が出した要望がしっかり記載されていない場合もあり得ます。自分で特殊な契約をしたつもりがなくても、特約事項に目を通しておくことが大事です。
車の売買契約書は要確認!買取契約をトラブル回避の注意点
車買取は高額な取引になりますし、売り手には相応の責任も生じますから、売買契約書のサインと押印は慎重に決めなくてはいけません。
買取契約のトラブルを未然に回避したいのであれば、安心できる買取業者探しを行い、売買契約書の読みこみを実践しましょう。
売買契約書を読んでも理解できない内容があった場合には、買取業者に詳しい説明を求める方法が向いています。買取業者の説明に納得できないのなら、トラブル防止を見据えて別の買取業者に車査定を依頼することも選択肢のひとつです。
トラブル回避ならJADRI加入の買取業者に依頼する
車買取のトラブル回避を何よりも優先したい場合には、JADRIに加盟している買取業者に車査定を依頼する方法があっています。
JADRIの加盟には厳しい審査が実施され、JPUCの自主規制ルールを守っている優良な買取業者でなければJADRIへの加盟は許されません。
JPUCのルールでは二重査定や誇大広告が禁止されていますし、加盟業者同士で相互に監視し合う形の自浄作用も働いています。加盟業者が重大なトラブルを起こすとJADRIから除名も行われるため、JADRIの加盟業者なら安心して車を売却できるでしょう。
安心×高価買取を実現するなら”ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)”がおすすめ
安心できる車買取を踏まえつつ、車の高価買取を実現したいときには、ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)の活用が推奨されます。
JADRI加盟業者と提携しているナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)は、大手優良業者に一括で車査定を依頼可能なネット上のサービスです。
ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)を活用すると、優良業者を自分で探して車査定を依頼する手間がかかりません。大手優良業者同士の競合も起こるため、高価買取に期待できます。
車買取の売買契約書で見るべきポイントまとめ
車買取の売買契約書で見るべきポイントについてまとめると、以下の通りです。
- 本文の鉄則11箇条を押さえたうえで信用ならない内容が売買契約書に見受けられた場合には車を売る買取業者をもう一度選び直す