- 未使用車と新車の違い
- 未使用車の走行距離
- 未使用車を購入するメリット・デメリット
中古車を買いに販売店に行ったとしましょう。この時に何の知識もないと迷ってしまうのが、未使用車という表記です。中古車なのに未使用車というのはおかしくないと考えてしまう人もいるかもしれません。
そこで未使用車とは、いったいどのような車のことを意味するのかを詳しく見ていきましょう。未使用車を購入するメリットやデメリットもあるため、詳しく知っておいて損はありません。
未使用車とは?登録済み未使用車のこと
早速ですが未使用車とはどのような車なのかを確認していきます。端的にお伝えしますと、陸運局にて登録をしているものの実際に使っていない車のことです。実際には使っていなくても登録はしてあるため、販売するのなら中古車という区分になります。
- 展示車
- 試乗車
- 代車
中古車販売店にて売られている未使用車は、主にこの3つのパターンに分類されると考えてください。展示車というのは販売店で展示されている車のことで、試乗車は試乗用に使われているものです。代車はその名の通りになります。
つまり未使用車といっても、まったく使用していないというわけではありません。ですが新車と比較しても、ほとんど変わらないのが魅力でしょう。未使用車の他にも新古車とも呼ばれています。
未使用車・新古車と新車の違い
次に未使用車と新車の違いについても見ておきます。おさらいをすると未使用車とは陸運局に登録済みで、ほぼ使われていない車を指す言葉です。新古車も同じ意味になります。
対して新車ですがディーラーで購入したばかりの車を指すのではなく、陸運局に登録されていない車のことなのです。公道を走るためには陸運局に登録をしなくてはいけませんので、登録前の車が新車ということになります。
新車と未使用車の簡単な見分け方としては、ナンバープレートがついているかどうかです。
- ナンバープレートがついていると未使用車
- ナンバープレートがついていないのなら新車
だと考えて間違いありません。そもそもナンバープレートは陸運局に登録をしないと、もらえないものだからです。
未使用車はなぜ出てくるのか
先程、未使用車は主に3つのパターンがあると解説しました。ただ店舗で使えばよいのに、どうして中古車になっているのか気になる人も多いでしょう。そこで未使用車がなぜ中古車市場に出てくるのかについて見ておきます。
- 目標販売台数調整のため
- 新車登録可能期間があるため
未使用車が中古車市場に流れるのには、以上の2つが考えられるのです。ディーラーや販売店には、各メーカーからノルマが課せられるケースがあります。その代わりに何台売れば報奨金が出るという契約があるのです。
この報奨金が出る契約台数に近ければ、新車を登録することで台数ノルマを達成できるのです。車のバリューは下がりますが、それ以上の報奨金が出れば販売としては損をしません。むしろ得をするということです。
完成検査修了証というものが、工場からの出荷時に発行されます。この証明書が9ヶ月で期間が切れるため、その前に登録して転売してしまうのです。賛否はあるかもしれませんが、消費者としては選択肢が増えます。
未使用車の走行距離について
未使用車を中古車販売店で見かけた時に、走行距離が違うことに気づく人もいるでしょう。どうして走行距離の違いが出てくるのかについても見ていきます。結論からお伝えしますと、どのような使われ方をしてきたかによるのです。
- 展示車はだいたい50km未満
- 試乗車だと1000km~3000km程度
- 代車は5000km~1万km程度
未使用車はこの3つの使われ方が代表的なものになります。展示車というのは自社の敷地内を移動させただけというのが多いでしょう。そのため走行距離も少なくなるのです。
試乗車と代車の場合は、どれだけの期間使われていたのかでバラツキが出ます。一般的に試乗車だと3000km未満になり、代車だと場合にもよるのですが1万km未満を目安としておくといいでしょう。
未使用車を購入する『3つのメリット』
では未使用車を購入するとして、どんなメリットがあるのかも見ていきましょう。
といった3つの面から確認していきます。
【メリット1】納車が早くすぐに乗ることができる
新車を購入した場合、納車までにどうしても時間がかかってしまいます。どのようなオプションをつけるのかなどで、納車までの時間も変わってくるでしょう。また人気の車だと数ヶ月待ちというのも珍しくありません。
対して未使用車の場合だと現物での販売になります。そのため購入してからの手続きが終われば、すぐにでも乗ることができるのです。
- 軽自動車なら名義変更
- 普通車なら車庫証明の発行
といった手続きが終われば、すぐにでも乗れます。ですので納車まで待てない、時間をかけずに乗り換えたいという人に向いているでしょう。反面で新車のように、自分の好きなオプションを載せたりはできません。
【メリット2】車の状態が良い
未使用車とは厳密に言えば、まったく使われていないわけではありません。ですが一般的な中古車と比較すれば、ほとんど使われていないと言えるでしょう。特にディーラーでの展示車だと、ほぼ走っていない状態です。
そのため車の状態ということで考えれば、一般的な中古車とは比較にもならないくらい良好なものが多いのです。また車のプロであるディーラーや販売店で、扱っていたものですので消耗品の状態も悪くありません。
もちろん新車と比較すると、それなりに使用感はあるでしょう。ですが一般的な中古車よりも状態が良いと言えます。中古車を購入する不安の1つが、車の状態でしょう。その点が気になる人は未使用車がおすすめです。
【メリット3】新車に比べて価格が安い
中古車として見た場合、未使用車というのは価値が高いです。そのため販売価格を見ても、高めの設定になっています。ですが新車と比較すると、割安で購入できるのは間違いありません。
いくら未使用車が新車と見た目が変わらないとしても、実質的にはオーナーが変わるため一般市場で販売するのなら再販となります。ですので新車と比較すると、割安な価格設定になるのです。
中古車として見た場合、前段でお伝えしたように未使用車は状態が良いです。そのため中古車市場では高い価値となるのですが、新車よりもかなり値引きされた額になると考えてください。ちなみに消費税分を節約することにもなるでしょう。
未使用車を購入する『3つのデメリット』
未使用車を購入する3つのメリットを紹介しましたので、逆にデメリット部分についても見ておきましょう。
という点について確認します。
【デメリット1】選択肢が少ない
新車を購入する場合は、生産時にしかつけられないメーカーオプションの選択ができます。他にもボディカラーやグレードなども、自分の気に入ったものを選べるのが特徴でしょう。
対して未使用車の場合は現物販売になります。グレードやボディカラーは当然ですし、メーカーオプションなども選択できません。そもそも未使用車の数自体が、そこまで多くないのです。
結果として新車を購入するよりも、選択肢という部分ではどうしても少なくなってしまいます。もし購入したい車のグレードやボディカラー、オプションなどが決まっているのなら、根気よく探すしかありません。
【デメリット2】車検までの期間が短い
個人使用を目的として新車を購入した場合、初回車検までは3年という期間があります。ですが未使用車の場合は、一度名義登録を行なっています。この登録を行なった時から、車検の期間が起算されるのです。
ですのでその車にもよるのですが、どうしても車検までの期間が短くなってしまいます。
- 登録から1ヶ月程度しか経過していない車もある
- 登録から1年以上の車もある
といったように、どうしても車検までの期間にバラツキが出てしまうでしょう。そのため未使用車だからといって安易に飛びつくのではなく、車検までの期間なども考慮に入れて検討するようにしてください。
【デメリット3】ワンオーナーではなくなる
車が好きな人の中にはワンオーナーにこだわるという人もいます。つまりは自分しか、その車のオーナーになっていない状態のことです。このワンオーナーにこだわるのなら、新車を購入するしかありません。
未使用車は上でもお伝えしたように、一度陸運局に登録された車のことです。ディーラー展示車などで、実質的にほぼ使われていないとしても、購入する時には前オーナーから名義変更をすることになるのです。
そのためワンオーナーの車である、という言い方はできません。このワンオーナーなのですが、車を売却する時のリセールバリューに影響することがあります。
ワンオーナーは安心というイメージがあるからです。ただし10年以上乗るというような場合は問題ないでしょう。
未使用車を探す方法
未使用車は車両状態が良く、新車の価格よりも安いため、お買い得な中古車です。
未使用車が欲しい!と思っている方は中古車情報で探してみるはずですが、案外、意識して探せばなかなかコレという車が見つからないものです。
そこで、未使用車を探すための便利な方法をご紹介したいと思います。
まとめ
中古車販売店などで見かける未使用車とは、どのような車なのかについてまとめてみました。未使用車とは陸運局ですでに登録された車のことです。一般的には展示車や、試乗車、代車などのような使われ方をしています。
このような車は一般的な中古車と比較すれば、走行距離なども含めてかなり状態が良いものだと言えるでしょう。そのため新車購入と比較すれば、安価になっているのがポイントです。
ただし新車のような自由度の高さはないので、その点には注意してください。