- 車査定でのタイヤの評価基準
普段乗りしているだけでも車のタイヤは摩耗していきますし、車の高価買取を見据えたときにはタイヤを交換するかどうかが大きな悩みどころです。
車査定では車種の需要と年式のほか、走行距離が代表的な評価基準として知られますが、タイヤの状態も車の査定額に影響するのでしょうか?
今回はタイヤでマイナス査定が起こる基準に加えて、タイヤの評価基準や査定アップのポイントを順にご紹介します。スペアタイヤとスタッドレスタイヤの扱いや、純正タイヤを売らないで手元に残す場合の注意点もあわせて見ていきましょう。
車査定・下取り時のタイヤの影響は『1.6mm以上の溝』
車査定や下取り時に行われるタイヤの査定では、タイヤにおける溝の有無が重要な評価基準になっています。タイヤの溝が1.6mm以上残っていると車査定で悪影響は発生しませんが、タイヤの溝が1.6mm未満であればマイナス査定を免れることはできません。
スリップサインはタイヤの溝に存在する盛り上がりであって、溝が1.6mm未満になると溝を埋める形で部分的にスリップサインが出てきます。
こうしたスリップサインは自分でも簡単に確かめられますが、スリップサインが出ているときには以下の内容に注意しなければいけません。
- ハイドロプレーニング現象の発生などタイヤの危険性が高くなっている
- スリップサインが出ているタイヤの使用は法令違反に該当する
- スリップサインが現れているタイヤのままでは車検に通らない
スリップサインが出ているタイヤはそもそも使用できませんから、タイヤのマイナス査定が起こるのは使用不可のタイヤを使っている場合に限られます。
もちろん法令違反ではない溝1.6mm以上のタイヤはマイナス査定になりませんので、車査定でタイヤの影響を過度に心配する必要はありません。
【根拠】タイヤの評価基準はJAAIに基づく
インチ\残り溝 | スペア・欠品 | 1.6mm未満 | 1.6mm以上 | 5mm以上 | ホイール交換 |
---|---|---|---|---|---|
19以上 | ー | 35点(-3.5万円) | 0点(0円) | +8点(+0.8万円) | ー |
18 | ー | 30点(-3.0万円) | 0点(0円) | +7点(+0.7万円) | ー |
17 | ー | 25点(-2.5万円) | 0点(0円) | +6点(+0.6万円) | ー |
16 | 27点(-2.7万円) | 17点(-1.7万円) | 0点(0円) | +5点(+0.5万円) | 10点(-1.0万円) |
15 | 22点(-2.2万円) | 13点(-1.3万円) | 0点(0円) | +4点(+0.4万円) | 9点(-0.9万円) |
14 | 18点(-1.8万円) | 10点(-1.0万円) | 0点(0円) | +3点(+0.3万円) | +8点(+0.8万円) |
13以下 | 16点(-1.6万円) | 9点(-0.9万円) | 0点(0円) | +2点(+0.2万円) | +7点(+0.7万円) |
タイヤはJAAIの提示する査定項目に当てはまるため、車査定におけるタイヤの評価基準はJAAIの設定に基づくのが一般的です。JAAIが定める溝の深さと査定への影響は上記の表の通りになります。
プラス査定を受けられるのは、タイヤの摩耗が進んでいない場合のみであり、普段乗りしているだけでも影響なしにほとんど相当するでしょう。
溝だけでなくタイヤの大きさも査定額に影響
タイヤの大きさ | 査定金額(1本あたり) |
---|---|
19インチ以上 | 8,000円程度 |
14インチから18インチ | 3,000円~7,000円程度 |
13インチ以下 | 2,000円程度 |
車査定ではタイヤの溝だけでなく、タイヤの大きさも査定額に影響します。タイヤの大きさとプラス査定で期待される金額は上記の通りになっています。
総じてタイヤは大きいほどプラス査定の金額が増加するものの、車両に適さない大きさのタイヤを付けているとマイナス査定があり得ます。
高く評価され買取額UPに繋がるのは『純正タイヤ』
中古車の購入層においては性能や見た目よりも純正タイヤを好む傾向がありますので、車査定を受ける際には純正タイヤの装着が推奨されます。
社外品のタイヤでインチアップやドレスアップをしていてもプラス査定の可能性は少なく、一般的な買取業者は逆にマイナス査定で対応しています。
純正タイヤが無いだけで査定額は落とされかねず、誰もが納得する組み合わせでない限り、車査定で社外品のタイヤは評価されません。
無難にタイヤで買取額アップを目指したいときには、リスクが多い社外品のタイヤではなく純正タイヤで車査定を受けましょう。
スペアタイヤは査定額に影響を与えない
車査定を受ける車にスペアタイヤが標準装備として備わっていない場合には、スペアタイヤを用意しなくても車査定で影響はありません。
とはいえ、スペアタイヤの代わりにタイヤ修理キットが積まれているのであれば、タイヤ修理キットの有無や状態が車査定に関係してきます。標準装備のタイヤ修理キットが存在していないときには、車査定にてマイナスが起こります。
タイヤ修理キットのパンク修理剤には使用期限があるため、これが使用期限切れになっていてもマイナス査定を避けられません。
使わないスタッドレスタイヤはタイヤ買取専門店で売却
通常のタイヤとスタッドレスタイヤは査定額が変わりませんから、車査定を依頼する前にはスタッドレスタイヤを装着しなくても構いません。
タイヤの査定は溝の深さとタイヤの大きさで決まりますし、スタッドレスタイヤを重視するのは一部地域にある買取業者に限られています。
使わないスタッドレスタイヤは放置しているだけで劣化が進みますので、タイヤ買取専門店で売却することが望ましくなっています。スタッドレスタイヤを売らずに新車用として手元に残したい場合には、風通しが良い日蔭に平置きする方法で保管を続けましょう。
査定アップのために新品タイヤに交換はNG
タイヤの溝が5mm以上残っていると、車査定でタイヤの大きさに応じたプラス査定を受けられます。プラス査定を踏まえれば新品タイヤに交換する手順が好ましく見えるものの、査定アップを狙ったタイヤ交換はおすすめできません。
例えタイヤにスリップサインが出ていても、新品タイヤに交換せず、そのまま査定を受ける手順が適しています。新品タイヤの溝は7mm以上あるのでプラス査定こそ期待できますが、新品タイヤへの交換時にはタイヤの購入費用と付け替え料金がかかります。
タイヤ交換で生じた費用はプラス査定でカバー不可能な金額になりやすく、選んだタイヤによってはマイナス査定のリスクも発生しかねないところです。
車査定・買取のタイヤに関するQ&A
状態の良い純正タイヤを装着して車を売却するとプラス査定を狙えますが、中には純正タイヤを売らずに残したい人もいるかもしれません。このほか、車査定を受けた後のタイヤ交換など、車査定と買取のタイヤに関係あるQ&Aを続けて取り上げてみましょう。
【Q1】タイヤを外して買取査定・下取りに出すのはアリ?
新品のタイヤはプラス査定を得られますが、車から取り外した新品のタイヤを売却しても購入時の半額以下にしかなりません。溝の摩耗が進んだタイヤは買取額がさらに下がりますし、車からタイヤを取り外す際には特殊な工具が必要で時間や労力もかかります。
自力で車からタイヤを外せないときには工賃も差し引かれるため、タイヤの売却金額が購入時の2割程度にしかならないケースも珍しくありません。
- タイヤを取り外した車は買取業者から車とみなされない
- タイヤを取り外すと車を動かせないので査定や売却に手間がかかる
- 車査定で取り外したタイヤの金額を上回るマイナス査定を受ける
どうしてもタイヤを手元に残したい場合には、取り外したタイヤの代わりを車に装着することで、過度なマイナス査定を防いでください。
車とタイヤを別々に売る方法にはデメリットが勢揃いしているため、車を買取査定や下取りに出すときにはしっかりタイヤをセットしましょう。
【Q2】車査定後にタイヤを交換するのはアリ?
車査定を受けて売買契約を済ませた後にタイヤ交換を行えば、買取業者を騙す詐欺に当てはまります。詐欺行為が発覚すると査定額の大幅な減額や契約解除などにつながりますので、車査定を受けた後にタイヤ交換を実行してはいけません。
社外品のタイヤを純正タイヤに変更したい場合には、車査定を受ける前に交換する手順を要します。車査定の前にタイヤ交換を決断し、交換を終えていないときには、査定時にタイヤ交換の予定を欠かさず伝え、文字でも記録してもらいましょう。
タイヤの状態にかかわらず高く売るなら”車一括査定”
車の買取業者と提携を行ったうえでサービスを提供している車一括査定は、買取業者に一括で車査定を依頼できるネット上のサービスです。
自宅にいながら無料で出張査定を引き受けている買取業者を探し出せますし、こうした車一括査定のサイトを使っても基本的に料金はかかりません。
査定を受けたい車を自分で運転する手間も避けられますので、タイヤの状態を気にせずに車を売りたいときには車一括査定の活用が大いに役立ちます。
選んだ車一括査定で提携している業者が全く異なる場合も見られるため、複数の車一括査定を活用してみるのも選択肢のひとつになるでしょう。
車の査定とタイヤまとめ
車の査定とタイヤについてまとめると、以下の通りです。
- JAAIの提示する査定項目にタイヤは該当。ただし、車査定への影響は基本的に大きくない
- タイヤの溝が1.6mm以上残っていればマイナス査定を避けられる