車の査定では走行距離は評価の中心項目とされており、一定の基準を超えると査定額が下がります。
結論から言うと、減額の目安は5万キロと10万キロ、さらに年式に対して1年1万キロを超えると評価が厳しくなります。
理由は、走行距離が増えるほど部品の摩耗や劣化が進み、再販時のリスクが高まるためです。

ただし、走行距離だけで価格が決まるわけではなく、年式や状態、需要とのバランスで評価は大きく変わります。
この記事では、減額の具体的な基準とともに、走行距離が多くても損を防ぐ売り方まで整理して解説します。
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| 車の査定のマイナスポイント (クリックすると詳細に飛びます) | |
|---|---|
| 項目 | 詳細記事 |
| 外装 | キズやへこみ |
| バンパーの修理・交換 | |
| ステッカー | |
| 内装 | シート汚れや破れ・タバコの穴 |
| ペットの毛や臭い | |
| チャイルドシート | |
| 走行距離 | 本記事 |
| 修復歴 | 車買取で修復歴・事故歴あり |
| 機関系 | バッテリー上がり |
| エアコンの故障 | |
| 装備・書類 | ホイール |
| カーナビ | |
| ETC | |
| 修理前提 | – |
車査定は走行距離で減額される目安は5万キロと10万キロ
車には走行距離を確認するためのメーターがあり、主に次の2種類が使われています。
- オドメーター:これまでの総走行距離を表示
- トリップメーター:一定区間の走行距離を測れる
オドメーターはリセットできず、車の使用状況をそのまま示す数値です。一方、トリップメーターは任意でリセットできるため、日常の走行管理などに使われます。
オドメーターに表示される総走行距離は、査定額に直接影響する重要な指標です。
とくに、5万キロと10万キロは評価が変わりやすいラインとされており、これを超えると査定額が下がるケースが増えてきます。
ただし、走行距離は単体で判断されるわけではありません。年式とのバランスもあわせて見られます。
年式に対して走行距離が多すぎる場合は、使用頻度が高いと判断され、査定額に影響することがあります。
走行距離の査定減額基準はJAAIの評価基準に基づく
車査定における走行距離の評価は、一般的にJAAIの基準に沿って判断されます。
JAAIでは、走行距離の評価について次のように定められています。
4.走行キロの評価
引用元:JAAI「加減点基準ハンドブック」
走行キロの評価は適用表に基づき加減点を行う。(基本価格×加減率)
細則
1.走行キロ加減点は原則として積算計の走行キロ数によって行う。
2.自動車検査証記載の車検時の走行キロ、定期点検記録簿、オイル交換及び各エレメント類交換ラベル等から推定走行キロ数が特定できる場合は、推定走行キロ数によって加減点を行う。
この基準をもとに整理すると、走行距離の評価には次のような特徴があります。
- 査定は「基本価格×加減率」で計算される
- 加減率は車の種類やカテゴリーによって変わる
- 年式と走行距離のバランス次第でプラス評価になる場合がある
- 年式に見合った走行距離であれば査定額に影響しにくい
- 年式に対して走行距離が多いほど減額されやすい
走行距離が増えるほど査定額は下がる傾向がありますが、それだけで一律に評価が決まるわけではありません。
年式とのバランスや使用状況によっては、走行距離が多くても評価への影響が小さいケースもあります。
走行距離は1年1万キロが査定の目安
走行距離の評価はJAAIの基準に基づいて判断されますが、実際の査定現場では「1年1万キロ」がひとつの目安として広く使われています。
1年1万キロという基準は、走行距離が多いか少ないかを判断するための目安として活用されています。
この基準をもとに見ると、走行距離の評価は次のように考えられます。
- 1年1万キロを超えると減額につながりやすい
- 1年1万キロ以内であれば減額されにくい
- 1年1万キロを下回るとプラス評価になる場合もある
たとえば、2年で3万キロや3年で4万キロといったケースは、平均より走行距離が多いと判断されやすく、査定額に影響します。
一方で、2年で2万キロや3年で3万キロであれば、年式に見合った走行距離と見なされ、評価に影響しにくくなります。
また、年間で1万キロ以上走るケースは、毎日の通勤で長距離を使うなど、使用頻度が高い場合に多く見られます。

近所の買い物や週末の外出が中心であれば、年間走行距離が1万キロを超えることはあまりありません。
走行距離は1年1万キロが査定の目安
1年1万5000キロを超える過走行車「査定で減額されやすい」
年間走行距離が1年1万5,000キロを超える車は、一般的な使用よりも走行距離が多い状態と判断されます。
もともと1年1万キロの時点で使用頻度は高めと見られるため、それを大きく上回る1万5,000キロになると、日常的に車をよく使っている状態と評価されます。
このような走行距離になると、査定では次のような点がチェックされます。
- エンジンや足回りの負担が大きくなっていないか
- 消耗部品の交換時期が近づいていないか
走行距離が多いほど、部品の摩耗や劣化が進んでいる可能性が高くなるため、査定額に影響しやすくなります。
そのため、年間走行距離が1万5,000キロを超える車は、走行距離の面で減額されるケースが増えてきます。
ただし、メンテナンス状況や年式とのバランスによって評価が変わることもあり、走行距離だけで一律に判断されるわけではありません。
低年式で1年5000キロ未満の低走行車「査定で減額される」
年式が古く、なおかつ走行距離が極端に少ない車は、一見すると状態が良さそうに見えますが、査定では注意して見られるポイントになります。
こうした低年式・低走行の車には、次のような特徴があります。
- 部品全体が年数によって劣化している
- 短距離走行の繰り返しでエンジンに負担がかかっている
走行距離が少ないとプラスに見られることもありますが、年式が古い場合は別の視点で評価されます。
とくに年間5,000キロ未満の状態が続いている車は、長期間あまり使われていないと判断されることがあり、故障や不具合のリスクを懸念されやすくなります。
そのため、低走行であっても年式とのバランスによっては、査定額が下がるケースが出てきます。
車を高く売るうえでは、走行距離が多すぎる状態を避けることが大切ですが、少なすぎる場合にも注意が必要です。
適度に使われている車のほうが、状態が安定していると判断されやすくなります。
5万キロ超や10万キロ超でも売れないとは限らない
走行距離が5万キロを超える車は多走行車、10万キロを超える車は過走行車と呼ばれます。
一般的には、走行距離が伸びるほど査定額は下がりやすくなります。多走行車は年式とのバランスによって評価が分かれ、過走行車は年式にかかわらず減額される傾向があります。

以前は10万キロを超えると価値がつきにくいと言われていましたが、最近の車は耐久性が高く、走行距離が多くても使用できる状態が保たれているケースが増えています。
そのため、走行距離が多いからといって必ずしも大きく評価が下がるわけではありません。
たとえば、次のような条件がそろうと評価が残るケースがあります。
- 需要の高い人気車種である
- エンジンや足回りの状態が良好
- 定期的なメンテナンス履歴が確認できる
さらに、日本車は海外での需要も高く、走行距離が多い車でも買い手が見つかりやすい状況です。
そのため、多走行車や過走行車であっても、売却をあきらめる必要はありません。
ただし、査定では日頃のメンテナンス状況が重視されるため、点検記録や整備履歴をしっかり残しておくことが評価につながります。
車査定は走行距離以外でも減額される
車査定では走行距離が大きな判断材料になりますが、それだけで査定額が決まるわけではありません。
実際には、JAAIの査定評価基準に基づき、年式や車の状態などさまざまな要素を組み合わせて総合的に判断されます。
その中でも、走行距離と同じくらい重要とされるポイントは次のとおりです。
車の査定額に影響するポイント
これらの要素はそれぞれが査定額に影響するため、走行距離だけに注目していても正確な評価は見えてきません。
ここからは、それぞれのポイントがどのように査定額へ影響するのかを順番に見ていきます。
車の年式
車検証で確認できる年式は、査定で必ずチェックされる重要なポイントです。
年式が新しい車は高年式と呼ばれ、需要の影響も受けながら、古い車よりも高く評価されやすくなります。
一方で、年式は時間の経過とともに評価が下がる要素でもあります。毎年1月1日を基準にひとつ古い年式として扱われるため、同じ車でも時間が経つほど査定額は下がっていきます。
ただし、年式だけで価値がなくなるわけではありません。たとえば、次のようなケースでは年式が古くても評価が残ることがあります。
- 人気が高く需要が安定している車種
- 状態が良く、丁寧に使われている車
そのため、低年式の車であっても、査定に出すことで価格がつくケースは十分にあります。年式だけで判断せず、まずは車査定を依頼して全体の評価を確認することが大切です。
事故歴と修復歴
事故や災害などで車に損傷が生じた場合、その修理内容によって「修理歴」または「修復歴」として扱われます。
まず、修理歴とは、車の外装や消耗部品など、骨格に影響しない部分を修理した経歴を指します。この場合、JAAIの事故車の定義には該当しないため、査定額に大きな影響が出ないケースが一般的です。
一方で、車の骨格部分を修理した場合は「修復歴あり」と判断されます。骨格部分とは、フレームやピラーなど車の強度に関わる重要な部分のことです。

骨格部分は修理しても完全に元の状態には戻らないため、修復歴がある車は査定額が下がりやすくなります。
そのため、同じ事故による修理でも、修理箇所によって評価は大きく変わります。
事故や災害で車に損傷があった場合は、どの部分を修理しているのかを把握しておくことで、査定時の評価を理解しやすくなります。
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買取店ごとの需要と供給のバランス
車査定では、車種の人気や市場での需要も査定額を左右する重要なポイントです。
買取業者は買い取った車を中古車として再販するため、売れやすい車ほど高く評価されやすくなります。反対に、売れ残る可能性が高い車は、査定額が抑えられる傾向があります。
とくに、中古車市場での供給と需要のバランスは大きく影響します。
- 需要が高く供給が少ない場合は査定額が上がりやすい
- 供給が多く需要が追いついていない場合は査定額が下がりやすい
そのため、もともとの基本価格が高い車であっても、市場での人気が落ちている場合は評価が伸びにくくなります。
車を少しでも高く売りたい場合は、需要が高まりやすいタイミングを意識することも大切です。
たとえば、次のような時期は需要が動きやすくなります。
- 新生活が始まる前の時期
- ボーナス前後で購入が増えるタイミング
このように、市場の動きを踏まえて売却のタイミングを考えることで、査定額に差が出ることがあります。
車両の状態と内装外装の傷み
車査定では、内装や外装の状態も重要な評価ポイントです。
買取業者は再販前に清掃や修理を行いますが、査定前の状態によって評価は変わります。
そのため、事前に整えておくことで防げる減額はできるだけ避けておきたいところです。
とくに内装については、JAAIの評価基準にも含まれており、次の点がチェックされます。
- シートや足元の汚れ
- タバコやペットなどの臭い
ホコリやゴミは掃除機や粘着クリーナーで取り除き、落ちにくい汚れは専用クリーナーで対応しておくと印象が良くなります。
また、臭いは査定に影響しやすいため、消臭スプレーやスチームタイプの消臭剤で対策しておくことが大切です。
一方で、外装については注意点があります。
小さなキズやへこみを無理に修理すると、かえって費用のほうが大きくなってしまうケースもあります。そのため、軽いキズであれば無理に直さず、そのまま査定に出すほうが結果的に損を防げることもあります。
このように、内装はできる範囲で整え、外装は状況に応じて判断することが、査定額を大きく下げないためのポイントです。
走行距離に関係なく高く売るなら車一括査定

車の売却方法としてよく選ばれるディーラー下取りは、手間が少ない点がメリットです。
ただし、査定額はディーラー側の基準で決まるため、価格が伸びにくい傾向があります。
また、ディーラーは再販を前提とした専門の買取業者とは異なり、査定の仕組みや販売ルートが限られているため、高い価格につながりにくいケースも見られます。
そのため、少しでも高く売りたい場合や、走行距離の影響をできるだけ抑えたい場合には、車一括査定の活用が有効です。

車一括査定は、複数の車買取業者にまとめて査定を依頼できるサービスで、次のような特徴があります。
- 一度の入力で複数社に査定依頼ができる
- 業者同士の競合によって価格が上がりやすい
- 走行距離が多い車でも評価される可能性がある
とくに、走行距離が多い車は業者ごとに評価が分かれやすいため、比較することで価格差が出やすくなります。
1社だけの査定では見えない価格を引き出すためにも、複数の業者に査定を依頼することが重要です。
まとめ|車査定の走行距離と減額の目安
車査定では走行距離が重要な評価基準となりますが、年式や車両状態、需要とのバランスによって最終的な査定額が決まります。
ここまでの内容を整理すると、重要なポイントは次のとおりです。
- 5万キロと10万キロが減額の目安になる
- 年間1万キロが基準となり、それを超えると評価が下がりやすい
- 1万5,000キロ以上は減額されやすく、5,000キロ未満でも年式によっては評価が下がる
- 走行距離だけでなく、年式や修復歴、需要、内外装の状態も査定に影響する
- 多走行車でも人気や整備状況によっては評価が残る
これらを踏まえると、査定額は単純な走行距離だけでは決まらず、複数の要素を組み合わせた総合評価であることがわかります。
そのうえで、実際に車を売却する際の流れは次のようになります。
走行距離だけでなく、年式や修復歴、内装外装の状態を整理し、査定に影響する要素を把握します。
車内清掃や臭い対策など、手間をかけずに印象を良くできる部分を整えておきます。
業者ごとに評価基準が異なるため、複数社に依頼して比較することが重要です。
提示された金額だけでなく、対応や条件も含めて納得できる業者を選びます。
この流れを押さえておくことで、走行距離による減額の影響を抑えながら、より良い条件で売却につなげやすくなります。
まずは複数の査定結果を比較し、自分の車の適正な評価を把握するところから進めていきましょう。



