- 車の査定額を左右する重要な査定ポイント
車査定で中古車の査定額を算出する査定士は、突然の持ち込み査定であっても30分ほどで中古車の査定額を導き出します。査定士がこうした短時間で中古車を評価できるのは、重点的に見るポイントがそもそも決まっているからです。
総じてJAAIの規定する査定基準に基づき、査定士は中古車の価値を見極めるため、査定士の能力が等しいときには車の査定額はほぼ変わりません。
この記事では車査定で査定士がチェックする代表的なポイントのほか、高価買取への3つの方法やコツなどをご紹介します。
査定士はココを見る!高価買取に導く12ポイントと査定UPのワザ
重要度 | ポイント |
---|---|
高 | 修復歴(事故車)の確認 |
高 | 車種の人気と需要 |
高 | 年式 |
高 | 骨格(フレーム) |
中 | 外装のキズや凹み(車の前面⇒側面⇒後面⇒天井) |
中 | 走行距離 |
中 | エンジンルーム |
中 | 内装の奇麗さ |
低 | タイヤ(スペアタイヤ含む) |
低 | ボディーカラー |
低 | オプション&装備品(純正カーナビ・ホイールなど) |
低 | 車検の残期間 |
愛車を車買取で少しでも高く売りたいのであれば、査定士が車査定で見ているポイントを自分でも知っておかなくてはいけません。
車査定で高価買取に導く12のポイントに加えて、査定アップを果たすうえで押さえておくべきワザには、どのような内容が並んでいるのでしょうか?
【重要度:高】修復歴(事故車)の確認
事故などで損害を受けた車は修理を必要としますが、車の状態や修理の範囲に応じて修復歴が付く場合と修理歴が付く場合があります。
修復歴はJAAIが定める特定の部位を交換した車に付く経歴であって、修復歴が付いた車は自動車業界で修復歴車や事故車と呼ばれます。
ボンネットやバンパーなど、JAAIの事故車定義に当てはまらない部位を修理した場合においては、修理歴が付くだけで済みます。
車査定で大幅の減額になるのはあくまでも修復歴車で、修理歴が付いた車はマイナス査定を受ける修復歴車ではありません。
【重要度:高】車種の人気と需要
JAAIは車種の需要をこまかく規定していませんが、車の査定額は車種の人気と需要によって常に変動しています。車買取業者が買い取った車は中古車市場で販売されるため、車買取業者が売りたい人気車種は車査定で高価買取を期待できます。
ここで注意しておきたいポイントは、中古車としての人気や需要の有無になります。車買取で高級車を売却するのであっても、中古車市場で人気や需要が無い場合には、査定額アップがさほど見込めません。
車の需要は時代で移り変わりますから、発売当時の人気車種が売却時に見向きもされないケースも十分にあり得ます。
【重要度:高】年式
車検証に記載されている初度登録年月の年式は、車査定で査定士が確実にチェックする重要度が高いポイントです。車の年式が新しいほど同一車種の最新モデルに近づきますので、車の需要に応じて査定額が高まります。
年式は毎年1月1日に古くなり、月日が経つにつれて車の査定額は落ちていき、10年経過で大幅の減額が発生します。車査定で相応の査定額を実現したい場合には、愛車の年式が10年経過する前に売却しなければいけません。
【重要度:高】骨格(フレーム)
車の骨格部位であるフレームが歪んでいると、ドアの開閉や車の動作などに不具合が生じます。フレームの歪みは安全な運転を妨げる要因になりますから、歪んだフレームを修復しない限り、車検に通ることはできません。
車のフレームを修復すると修復歴で査定額は減額されますが、フレームを修復しなくても車査定では大幅の減額につながります。フレームの歪みや修復歴を申告せずに車を売却した場合には、瑕疵担保責任で損害賠償請求をされかねません。
査定士がフレームの歪みを見逃す可能性は極めて低いものの、歪みを把握しているときには自分で申告しましょう。
【重要度:中】外装のキズや凹み(車の前面⇒側面⇒後面⇒天井)
車査定で査定士は、外装のキズや凹みを主に以下の順で確かめていきます。
- 車の前面
- 両側面
- 後面
- 天井
車の前面ではボンネットやバンパーなどがチェックされ、両側面はドアパネルのキズや凹みがポイントです。後面のトランクやマフラーに続けて、天井ではキズと凹み以外に塗装の変化も見極められます。
外装のキズは度合いで評価が変わりやすく、以下の要因で減額の幅が増減します。
- キズの大きさと深さ
- 再塗装と板金の必要性
キズや凹みにおけるそれぞれの減額が少なくても、キズや凹みの数が多い場合には大きな減額が発生するので気をつけてください。
【重要度:中】走行距離
車種 | 1万km | 3万km | 5万km | 7万km | 10万km | 15万km | 20万km |
---|---|---|---|---|---|---|---|
プリウス | 163万円 | 143万円 | 134万円 | 128万円 | 121万円 | 114万円 | 108万円 |
車の走行距離は走行で生じる劣化を示す指標であって、車査定でも車の価値を図るための指標として使われています。走行距離が長い中古車は車が傷んでいるとみなされますから、車査定の査定額は走行距離が短い車よりも低くなってしまいます。
愛車の走行距離を確認したいのなら、総走行距離をキロメートルの単位で表示しているオドメーターの数値を見てみましょう。
1年1万キロを超える走行距離の車は過走行車として扱われますが、2年2万キロや3年3万キロなら問題ありません。
ただし、車の走行距離が10万キロを超えた場合には、年間走行距離とは関係なく車の査定額が下がります。
【重要度:中】エンジンルーム
車査定で査定士が念入りにチェックする箇所が、車台番号も打刻されているエンジンルームです。エンジンルームの状態は車の良し悪しに強くかかわるため、査定士は以下の点検を実践します。
- エンジンや装備機器の状態
- エンジン本体や各装置の動作と不具合
- エンジンルーム内全般の汚れ
- オイルもれやガスもれ
- 修復歴や改造パーツの有無
- 検査証の車台番号と打刻番号の一致
エンジンのオーバーホールやエンジンの載せ換えは、査定額アップを期待できるポイントになっています。オイルもれなどは対処可能な場合もありますし、車査定の前にはエンジンルーム内を清掃しておきましょう。
【重要度:中】内装の奇麗さ
車買取業者は必ず買い取った車の修復と清掃を行いますが、車査定の前に内装をきれいにしておかないとマイナス査定が起こります。
車の内装が車内清掃で改善不可能なほど悪化していれば、車査定で大幅の減額にもなります。内装の状態を整えるうえでチェックすべきポイントは以下の通りです。
- 内装全体の汚れ
- シートや天井のへたりやたるみなど
- シートやフロアマットの破れやタバコの焦げ跡
- ダッシュボードやトランクルームの割れや破損
- タバコやペットの臭い
- 芳香剤や香水の臭い
汚れと臭いの有無や交換の必要性など、内装の状態は中古車の査定額を左右します。車内清掃を実行するだけでなく、タバコやペットの臭いも車用消臭スプレーなどで忘れずに対処してください。
【重要度:低】タイヤ(スペアタイヤ含む)
タイヤの評価基準は溝の深さがポイントであり、JAAIが定める溝の深さと査定額への影響は以下の通りです。
- 残っている溝が5mm以上ならプラス査定
- 溝が1.6mm以上5mm未満なら影響なし
- 溝が1.6mm未満ならマイナス査定
タイヤの摩耗が進んで溝が1.6mm未満になると、タイヤの使用限度を示すスリップサインがタイヤの溝に現れます。スリップサインが出ているタイヤの使用は法令違反に該当しますので、このようなタイヤは車検にそもそも通りません。
タイヤのマイナス査定はそれほど心配ありませんが、スペアタイヤが搭載されている車からスペアタイヤを外すとマイナス査定になってしまいます。
【重要度:低】ボディカラー
JAAIが設定している中古自動車査定基準では、乗用車系についてはボディカラー加減点を行うことができるといった記載があります。
「行うことができる」と表現されている通り、地場の車買取業者などは車査定でボディカラー加減点を重視しない場合が見られます。
とはいえ、中古車市場でボディカラーにおける需要の格差が明確に出ていると、良くも悪くもボディカラー加減点が査定額に影響します。車査定で査定額アップを期待できる中古車の代表的なカラーは以下の通りです。
タイプ | 車種 | 白黒カラー | その他のカラー |
---|---|---|---|
軽自動車 | N-BOX | 177万円 | 146万円 |
コンパクトカー | アクア | 179万円 | 166万円 |
セダン | プリウス | 209万円 | 184万円 |
SUV | エクストレイル | 245万円 | 280万円 |
スポーツカー | ロードスター | 259万円 | 249万円 |
ミニバン | アルファード | 345万円 | 283万円 |
万人受けする無難な色や安定した人気を誇る色の中古車は、車買取業者が売りやすい車なので、基本的に車査定で査定額ダウンは起こりません。
派手で奇抜な原色系カラーや時代のニーズを捉えたトレンドカラーの車は、売れ残りかねないこともあってマイナス査定の対象になっています。
【重要度:低】オプション&装備品(純正カーナビ・ホイールなど)
中古車の購入層は純正のオプションや装備品を好む傾向があるため、社外品に付け替えても純正パーツを保管しておくことが大事なポイントです。
社外品のパーツで車をドレスアップしていても、車査定で査定額アップはなかなか実現しません。
車買取業者は基本的に社外品をマイナス査定しますので、車査定で車を売却する場合には社外品のパーツを純正パーツに戻す手順が向いています。
【重要度:低】車検の残期間
一般的に車検の名称で呼ばれる自動車検査登録制度は、自動車が保安基準に適合していることを確認する検査です。車検は新車登録日から3年後が初回で、2回目以降は2年ごとに継続して受け続ける必要があります。
車査定を依頼した時点で車検の残期間が長くても、査定額への加算は車検代以上にはなりません。不人気な車種はむしろ査定額の減額につながるため、車査定を受ける前に車検を通すと損が生じてしまいます。
車は車検切れでも売れますが、買い叩かれるリスクを避けたい場合には、車検の残期間が1か月から2か月の段階で車を売却する方法が望ましくなります。
誰でも今すぐできる!高価買取への3つの方法とコツを伝授
車査定で査定士が見るポイントは多岐にわたりますが、誰でも今すぐ始められる車査定の対処方法は3つほど存在しています。車買取業者に車査定を依頼する前に心がけたい、高価買取に役立つ3つの方法とそれぞれのコツを順にまとめてみました。
1.「内装は清掃」「外装は洗車」でキレイにする
車を少しでも高く売りたいのなら、車査定を受ける前に車内清掃と洗車で車の内装と外装をキレイに整える手順が欠かせません。
内装の汚れは運転者や家族が積み重ねますし、以下の車内清掃をしておかないと車の査定額は減額されてしまいます。
- マットや背もたれなどにあるゴミや汚れを掃除する
- タバコの臭いやペットの臭いを消臭する
- チャイルドシートなどを取り外し、シートの凹みを元に戻す
ゴミや汚れの掃除には車内掃除機や水拭きを使う方法が望ましく、臭い取りには車用の消臭スプレーやスチームタイプの消臭剤が適しています。
内装の掃除と比較して洗車は車の査定額を左右する要因にはなりませんが、査定士へのアピールといった役割を果たします。洗車をしていないと査定士は車の査定を厳しくしかねませんので、査定額ダウンを避けるためにも売却する車は洗車しておきましょう。
2.純正オプションの安全装備や付属品があれば用意する
車査定では車種の需要や年式などの査定評価基準に限らず、純正オプションの安全装備や付属品を揃えることでも査定額がアップします。
純正オプションにはメーカーオプションやディーラーオプションが当てはまり、これらは信頼性の高さからプラス査定を期待できます。
同じく後付けできない特徴を備えているエアバッグやブラインドモニターなどの安全装備は、車査定で優れたアピール対象になっています。
3.複数の車買取店が競合する”車一括査定”を利用する
提携している車買取店に一括で車査定を依頼できる車一括査定は、複数社の競合を簡単に起こせるインターネット上のサービスです。車一括査定で複数社の競合を起こせば、最も高い査定額を提示した車買取店を選んでうえで、売却額の交渉などを始められます。
誰でもインターネット環境下なら無料で車一括査定を活用できますし、出張査定の日付を同日同時刻にする手段も不可能ではありません。
複数社を出張査定で同時に集めるのなら、オークション形式で査定額を高めていく方法も狙えるでしょう。
車査定の重要ポイントまとめ
車査定で中古車の査定額を左右する重要なポイントは以下の通りです。
- 修復歴(事故車)の確認
- 車種の人気と需要
- 年式
- 骨格(フレーム)
- 外装のキズや凹み(車の前面⇒側面⇒後面⇒天井)
- 走行距離
- エンジンルーム
- 内装の奇麗さ
- タイヤ(スペアタイヤ含む)
- ボディカラー
- オプション&装備品(純正カーナビ・ホイールなど)
- 車検の残期間