【実例あり】車買取の再査定(二重査定)で減額された場合の4つの対処法

二重査定(再査定)

二重査定とは、車の買取契約を結んだあとに業者が再び査定を行い、金額を減らす行為を指します。

国民生活センターでも「中古車の売買契約をめぐるトラブル」が多く寄せられており、査定後の減額請求や契約解除に関する相談が増加傾向にあります。

車を売却した方に関するアンケート調査 (1)
参照:車を売却した方に関する参照データ

しかし、正しい知識と手順を押さえておけば、不当な減額やトラブルを防ぐことができます。

この記事では、二重査定が起こる仕組みとその法的な扱い、さらに実際の事例と対処法をわかりやすく整理しました。

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目次

車を売った後・契約後に「再査定(二重査定)」で買取金額を減額

二重査定

査定スタッフは車買取の際に、次のポイントを確認します。

  • 事故歴
  • メーター戻し

これらを総合的に評価して買取金額が決まりますが、買取後に再度チェックが行われることもあります。その際、一度目では分からなかった事故歴や傷などが見つかると、再査定(二重査定)の対象となることがあります。

つまり車買取は査定がゴールではなく、その後の減額の可能性を考慮しなければならないのです。

民法上、車買取業者は買い主であり、売り主に対して瑕疵担保責任を追及できる立場にあるため、見えない部分の欠陥を指摘することができます。

想定外の欠陥や損傷などが発覚した場合は、売り主に対して法律の範囲内で請求することが認められています。

契約後の減額のほか、よくある車買取トラブルの事例はこちらで紹介しています。

中古車大手買取店9社の再査定(二重査定)の実情と保証内容

大手買取店再査定保証内容
ガリバー再査定の可能性ありクレームガード保証に入れば再査定を防げる
ビッグモーター再査定の可能性ありクレーム安心保障に入れば再査定を防げる
ラビット再査定の可能性あり特になし
アップル再査定の可能性なし特になし
ユーポス再査定の可能性なし特になし
ネクステージ再査定の可能性なし特になし
カーチス再査定の可能性なし特になし
カーセブン再査定の可能性なし特になし
ティーバイティー再査定の可能性あり特になし

中古車大手の買取店でも、査定後に再チェック(再査定・二重査定)が行われるケースがあります。表のとおり、再査定の有無や保証の仕組みは店舗によって異なります。

とくにガリバーとビッグモーターは「クレームガード保証」や「クレーム安心保障」といった有料オプションを用意しており、加入しておくと引き渡し後に新たな傷や不具合が見つかっても減額されない仕組みになっています。

一方で、アップル、ユーポス、ネクステージ、カーチス、カーセブンといった業者は基本的に再査定を行わない方針を取っています。査定時に細部まで丁寧に確認するため、引き渡し後に金額が変わることはほとんどありません。

ティーバイティーは再査定の可能性があるものの、明確な保証制度は設けられていないため、契約前に査定範囲や条件をよく確認しておくことが大切です。

なお、ガリバーのクレームガード保証について知りたい方は「【見解】ガリバー『クレームガード保証』必要なし!こんな人だけ加入して」をご覧ください。

車買取後の減額請求のクレームに対する4つの対処法

二重査定_対処法

車を引き渡したあとに「修復歴が見つかった」 「傷があった」などの理由で、買取業者から減額を求められるケースがあります。

こうしたいわゆる二重査定(再査定)による減額請求は、冷静に対応すれば不当な請求を防ぐことも可能です。

ここでは、車買取後に減額を求められたときの具体的な対処法を4つ紹介します。

1. 売買契約後に二重査定で減額となった理由を確認

まず行うべきは、なぜ減額されるのか理由を明確に確認することです。

買取業者から「事故歴があった」とか「修復跡が見つかった」などと伝えられても、根拠があいまいなまま了承してはいけません。

実際にどの部分にどのような不具合があったのか、査定時には確認できなかった理由は何かを、具体的に説明してもらいましょう。

説明が不十分な場合は、写真や整備記録簿などの証拠を求めるのも有効です。

原因を明確にすることで、正当な再査定なのか、不当な減額請求なのかを見極めやすくなります。

2. 瑕疵担保責任の対象(法的に有効)かを調べる

次に確認すべきは、その減額理由が「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」に該当するかどうかです。

瑕疵担保責任とは、売却時点で売り主が知らなかった欠陥が後から見つかった場合に、買い主(買取業者)が一定の請求を行えるという民法上のルールです。

ただし、法的に有効と認められるのは「売り主が故意または重大な過失で隠していた欠陥」に限られます。たとえば、事故歴を知っていながら申告しなかった場合などが該当します。

一方で、素人では気づけないような内部の不具合や、査定時に業者が見落とした傷などは、原則として売り主の責任にはなりません。

まずは提示された理由が法的に妥当な範囲なのかを確認し、不当な減額請求に応じないよう注意しましょう。

3. 減額交渉に応じないで売買契約を解除する

業者からの減額提示に納得できない場合は、むやみに応じる必要はありません。根拠が不明確なまま金額を下げられるような交渉には応じず、まずは契約内容を再確認しましょう。

売買契約がすでに成立している場合、金額変更には双方の合意が必要です。買い主である業者が一方的に減額することはできません。

もし不当な理由で減額を求められた場合は、契約解除を申し出て取引をなかったことにするという選択肢もあります。

また、消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効にできると定めた「消費者契約法」という法律もあります。業者の主張に納得できない場合や対応に不安を感じた場合は、早めに弁護士や消費生活センターなど専門機関へ相談すると安心です。

このとき、契約書や査定時の記録、引き渡し前の写真などが手元にあれば有利に進められます。減額交渉には安易に応じず、冷静に法的な立場を踏まえて対応することが大切です。

4. 再査定のトラブルが収まらない場合は相談

業者とのやり取りで話が平行線になり、再査定や減額請求のトラブルが解決しない場合は、「消費者生活センター」に相談しましょう。

消費者生活センターは、各自治体に設置されている公的な相談窓口で、買取業者との契約トラブルや不当な減額請求に関する相談を無料で受け付けています。専門の相談員が状況を整理し、適切な対応策や法的な手段についてアドバイスをしてくれます。

また、センターが必要と判断した場合は、弁護士や関係機関と連携して対応してくれることもあります。自分だけで交渉しようとせず、早い段階で相談することでトラブルの拡大を防ぎ、納得のいく形で解決しやすくなります。

車売却のトラブルについて困っている方は「JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会)」での相談もおすすめです。

【実例からわかる】車売却後に起きた二重査定トラブル3選と対策

二重査定_トラブル

再査定(二重査定)による減額がいまひとつイメージできない人は、過去の事例を参考にすると理解しやすくなります。

車買取サービスを利用する人にとっても、こうしたケースはまったく無縁とは言えません。

ここでは、実際に起きた事例をもとに、どのような場面で減額が発生しやすいのか、そして同じ失敗を防ぐためにどんな対策ができるのかを解説します。

1. 事故車と言われ引き渡し後に減額された

査定時には「修復歴なし」との判断を受け、提示額に納得して契約・引き渡しを済ませたAさん。

ところが数日後、業者から「フレーム部分に修復跡が見つかったため、事故車として扱う必要があります」との連絡が入り、10万円の減額を求められました。

Aさん自身は事故歴を把握しておらず、説明も十分でなかったため、不安を感じつつも減額に応じてしまったという話があります。

このようなトラブルを防ぐには、契約前に自分の車の修理・整備履歴をできる限り確認しておくことが大切です。

ディーラーや整備工場で修理を受けた記録(整備記録簿や見積書など)があれば、事前に提示しておくと誤解を防げます。

また、査定時に「修復歴なし」と言われても、後から「実は事故車でした」と主張されるケースに備え、査定時のやり取りを記録しておくのも有効です。

説明内容をメモに残す、メールやLINEの履歴を保存するなど、後から確認できる形にしておくと、万一の減額請求にも冷静に対応できます。

事故歴を隠しても、専門の査定士は後のチェックでほぼ確実に把握します。「ばれないだろう」と思って虚偽申告をするのは絶対に避けましょう。

悪質と判断されれば契約違反となり、減額どころか契約解除や損害賠償を求められるおそれもあります。

2. 3ヵ月近くたって契約解除を申し入れてきた

車を引き渡してから約3ヵ月後、買取業者から突然「エンジン内部に不具合が見つかったため、契約を解除したい」と連絡が入ったCさん。

当初の査定からかなり時間が経過しており、すでに代金の受け取りも完了していたため、Cさんは驚きを隠せませんでした。

業者は「隠れた欠陥に該当する」と主張しましたが、Cさんにはまったく心当たりがなく、トラブルに発展しました。

買取後に時間が経ってからの契約解除や減額請求は、基本的に認められません。

民法上の瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)は「売却時に売り主が知っていた、または故意に隠していた欠陥」が対象であり、3ヵ月も経過してからの主張は通常、正当な請求とはみなされにくいです。

このような場合は、業者の説明内容を記録し、不当だと感じたら消費生活センターや弁護士に相談しましょう。契約書や引き渡し時の状態を示す写真があれば、証拠として有効です。

時間が経ってからの契約解除に応じる必要はなく、冷静に専門機関へ相談して対応することが大切です。

3. 修復歴があるとして再査定

査定時には「修復歴なし」と説明を受け、提示額に納得して車を売却したDさん。

しかし、引き渡し後に業者から「フロント部分の骨格に修復跡が見つかりました」と連絡が入り、再査定で15万円の減額を求められました。

査定時には特に指摘がなく、Dさんも過去の修理歴を詳しく把握していなかったため、納得できないまま対応に困ってしまったそうです。

「修復歴あり」として再査定を求められた場合は、まず業者にその根拠を明確に示してもらいましょう。

修復跡の写真や整備記録、どの部位にどのような修理が施されたのかを具体的に確認することが重要です。

査定時に業者が見落としていた場合は、売り主側の責任にはなりません。あいまいな説明のまま減額に同意せず、内容に納得できないときは契約書や査定時のやり取りをもとに交渉することが大切です。

また、今後のトラブル防止のために、査定前にディーラーや整備工場で修理・点検履歴を確認しておくと安心です。整備記録簿や修理明細書を事前に準備しておけば、根拠のない再査定を避けられる可能性が高まります。

車買取の再査定トラブルに遭遇しない唯一の方法

二重査定_トラブル対策

再査定トラブルを避けたいなら、「どこの業者が危ないか」を探すより、「どこなら安心できるか」に目を向ける方が現実的です。

車買取の再査定トラブルを未然に防ぐには、「信頼できる業者を選ぶこと」が何より重要です。

見極めの基準としてまず参考にしたいのが、JPUC(日本自動車購入協会)JADRI(日本自動車流通研究所)への加盟状況です。これらの団体は、買取業界の健全化を目的としており、加盟には審査や行動規範の順守が求められます。

実際にトラブルの多くは、こうした団体に属さない無登録業者によって引き起こされています。

安心して売却するためには、加盟業者かどうかを確認し、所在地や連絡先などの実在性もチェックしておくことが大切です。

JPUC加盟店
(※大手買取業者の一部を紹介)
店舗名JADRI加盟JPUC加盟
ネクステージ
カーセブン
カーネクスト
ガリバー
アップル
カーチス
※2024年10月時点の情報

この中でもネクステージは、積極的な高価買取に強みがありながら、価格や条件に納得できない場合は無理に売却を迫られることがなく、対応も一貫して丁寧だったという実体験もあります。

JPUCとJADRIに加盟し、一定の信頼性が担保されているため、はじめての売却でも安心して相談できる選択肢のひとつです。

編集部が何度も査定を依頼してきた中で、毎回安定して高値をつけてくれた買取業者が「ネクステージ」です。

数ある買取業者から1社選ぶなら、迷わずここです。

ネクステージ

「高価買取ならネクステージ」と評判の、中古車業界で最大手の買取業者です。

全国に250店舗以上を展開し、店舗への持ち込みはもちろん、出張査定にも対応しているため、自宅で手続きが完結し、忙しい方にも便利です。

また、査定を行うのはAIS検定資格を持つプロの査定士。チェック項目に基づいた正確な査定で、安心してまかせられます。

ネクステージが高く買い取れるのは、オークションに出さず自社で直接販売することで流通コストを抑え、そのぶんを査定額に上乗せできる仕組みだからです。

実際に筆者もネクステージに依頼しましたが、ディーラー下取りより90万円以上も高く買取ってもらいました。他社も「ネクステージには勝てない」と言うほどで、買取額への本気度が段違いです。

車一括査定を利用した結果
※写真はカーセンサー車一括査定を利用した際に撮影

信じられない実績ですが、実際に体験した結果です。もちろん、契約後の減額は一切ありません。

何度も依頼していますが、どの担当者も誠実で、引き渡しまで安心して任せられました。

\ 愛車の最高額が下がる前にチェック /

普通に良いと思うけど

2台連続でネクステージへ売却した。オークション相場より若干高めの金額でかなり価格的には頑張ってくれていたように感じる。

引用元:みん評から一部抜粋
フリード買い取り

13年目のフリードを買い取り契約しました。他社よりも10万円以上高く買い取ってもらえたので大満足です。一括査定の中で一番最初に連絡があり、しっかり査定してくれたので安心して取り引き出来ると思います。

引用元:みん評から一部抜粋
買取査定に富士から来たSさん

到着時間は遅れましたが、その対応も良かったです。
若い営業さんが来てくれました。丁寧で意欲があり、それでいて多少のフランクさにも好感が持てました。ネクステージの口コミにあまり良くないコメント等もあり、どうかな~と思っていたのですが満足のいく接客をしてくれました。

引用元:みん評から一部抜粋

代車の無料貸し出しや名義変更の代行も対応しており、初めての方でも安心して任せられます。

どの買取業者にするか悩んでいる方は、まずはネクステージで無料査定を依頼してください。プロもおすすめする買取業者です。

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車買取の二重査定に関するよくある質問

二重査定_質問

二重査定とは何ですか?

車の買取契約を結んだあとに、業者が再び車を確認して「修復歴があった」 「不具合が見つかった」などの理由で、買取金額を減額する行為を指します。契約前の査定で提示された金額から変更されるため、トラブルに発展することもあります。

二重査定は違法ではないのですか?

二重査定そのものが直ちに違法というわけではありません。ただし、一方的に減額しようとしたり、契約内容に反する形で請求が行われた場合は、消費者契約法や民法上の問題になることがあります。契約書の内容や査定時の記録をきちんと残しておくことが重要です。

ディーラーの下取りでも再査定されることはありますか?

ディーラーの下取りでは、納車前の最終点検などで再査定が行われることがあります。ただし、下取りは新車購入とセットになることが多く、買取業者ほど金額の変動は大きくありません。とはいえ、明らかな損傷などが引き渡し時に判明した場合は減額される可能性もあります。

ガリバーで売却後に減額されることはありますか?

ガリバーでは、引き渡し後に見つかった不具合などを理由に再査定され、減額されるケースがあります。ただし、クレームガード保証(有料)に加入していれば、基本的に減額されない仕組みとなっています。契約前に保証の内容をしっかり確認することが大切です。

ネクステージでも二重査定はあるのですか?

編集部が実際にネクステージで複数回査定を依頼した経験では、契約後に金額が変更されることは一切ありませんでした。ネクステージは査定時の説明が丁寧で、契約前にしっかり確認してくれるため、再査定トラブルが起こりにくい業者のひとつです。

まとめ|再査定(二重査定)の仕組みと防止策を理解して安心の車売却を

ここまで解説してきた内容を振り返ると、車の再査定(二重査定)をめぐるトラブルを防ぐには、契約前後での確認と信頼できる業者選びが何より大切だと分かります。

主なポイントを整理すると、次のようになります。

この記事のポイントまとめ
  • 再査定は契約後の減額行為
  • 故意に隠した欠陥以外は減額対象にならない
  • 査定内容は記録として必ず残す
  • トラブル時は法制度や公的機関を活用
  • 修復歴や事故歴は正直に申告すること

減額請求トラブルへの対応手順は以下のとおりです。

STEP
減額の理由を明確に聞く

「事故歴が見つかった」 「修復跡があった」などと言われた場合は、どこにどんな不具合があったのか、具体的に説明してもらいましょう。証拠となる写真や整備記録の提示を求めることも有効です。

STEP
瑕疵担保責任の対象かを確認する

民法上の責任が適用されるのは、売り主が故意に隠していた欠陥など限られたケースです。査定時に業者が見落とした点まで、売り主が責任を負う必要はありません。

STEP
納得できなければ契約を解除する

一方的な減額に応じる義務はありません。契約書の内容を見直し、必要であれば取引の白紙撤回も選択肢に含めて対応しましょう。消費者契約法も参考になります。

STEP
第三者機関に相談する

話し合いで解決しない場合は、消費者生活センターや弁護士などに早めに相談するのが安心です。公的機関を通すことで、冷静かつ客観的にトラブルを整理できます。

二重査定トラブルを未然に防ぐ最大のポイントは「信頼できる業者を選ぶこと」です。

ネクステージのように、加盟実績があり、査定時の説明も明確で減額トラブルが少ない業者を選ぶと安心です。

編集部でも実際に査定を依頼した際、他社より高い査定額で、契約後の金額変更も一切ありませんでした。

再査定トラブルを避けたい方は、まずは複数の業者を比較し、信頼できる1社に絞ることが第一歩です。きちんと確認・比較してから売却に進めば、不安なく満足のいく取引ができるはずです。

この記事を書いた人

「もっと価値を見つける」をテーマに自動車の買取現場に立ち会い数多くの交渉を経験。現在は自動車買取メディアの立ち上げから運営、さらに自ら車売買を行うため古物商を取得(奈良県公安委員会 第641180000388号)。WEBメディアを通じて分かりにくいことを分かりやすく解説し、リユースに関する正しい知識を提供し、適切な判断ができるように情報を発信中。

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