- 本革シートと車査定の関係
車の査定額に影響を与える要因は様々で、年式や走行距離に限らず、車種の需要や景気の良し悪しによっても車の査定額は変動します。
車検の残りや自動車税の課税日など売却のタイミングでも査定額は左右しますし、車査定では査定士への対応や車内の状態なども評価されます。
今回は、車査定で査定額アップを見込める本革シートと車査定の関係についてまとめてみました。本革シートでプラス査定を得られる理由のほか、車査定で心配される本革シートのマイナス査定を解説していきます。
車査定で”本革シート”は買取額UPの鉄板オプション
車買取では査定額の増加につながる要因が数多く、本革シートはこうした買取額アップの鉄板オプションとして知られています。本革シートには電動リクライニング機能が内蔵される傾向も見られ、本革シートが付いた車は総じて需要が高い特長を持ちます。
ただし、本革シートが標準装備されている車種では、本革シートそのものが基本的な査定額に含まれますから個別のプラス査定は起こりません。
【根拠】本革シートの評価基準はJAAIに基づく
本革シートはJAAIの提示する査定項目に該当するため、車査定における本革シートの評価基準はJAAIの設定に基づく場合がほとんどです。
JAAIが設定した本革シートの評価基準では、排気量別で格付けされた車のクラスや年式に応じたプラス査定が適用されます。
もちろん良好な状態を維持していることが前提であって、修繕や交換を要する本革シートはプラス査定の対象になりません。JAAIでは本革シートの評価基準を以下のように設定しています。
クラス\年もの | 当・1年 | 2・3年 | 4・5年 | 6年〜 |
---|---|---|---|---|
特・Ⅰ | 110点(11万円) | 70点(7万円) | 40点(4万円) | 30点(3万円) |
Ⅱ・Ⅲ | 90点(9万円) | 50点(5万円) | 30点(3万円) | 20点(2万円) |
Ⅳ・軽 | 40点(4万円) | 30点(3万円) | 20点(2万円) | 10点(1万円) |
点数表記1点でおよそ1,000円の査定になりますから、高級車の本革シートでは11万円ほどのプラス査定も受けられます。
外注で本革シートに張り替えた場合の査定は?
純正オプションの本革シートはプラス査定の対象になるものの、外注で張り替えた本革シートの評価はケースバイケースで決まります。
外注で本革シートに張り替えた場合では、本革シートの色で評価が分かれやすく、車査定で想定される査定結果は以下の通りです。
- 純正オプションで採用される色に相当する本革シートはプラス査定
- 中古車の購入層を限定するような奇抜な色の本革シートはマイナス査定
外注で本革シートへの張り替えを行うのであれば、ベージュなどの落ち着いた色や人気を集める色を選択する方法が適しています。
このような色に当てはまらない奇抜な色の本革シートに張り替えをすると、車の売却時にマイナス査定を受けかねません。
本革シートなのに査定額が下がる可能性も…
本革シートは買取額アップの鉄板オプションに数えられますが、本革シートで車の査定額が下がってしまうケースも実は珍しくありません。査定額ダウンになる本革シートの状態や、その具体的な減額内容を続けて確かめてみましょう。
【査定DOWN】シートのへたりや汚れ、ひび割れ等
正しい手入れを実践していると本革シートは長持ちしますが、手入れを怠っていれば、劣化が進んで以下のような状態が目立ち始めます。
- 表面のこすれ・ひび割れ
- 黄ばみ・黒ずみ
- へたり・硬化
- しわ・縮み
へたりや汚れはマイナス査定の要因に含まれるため、車のシートがこれらの状態であれば車査定でマイナスといった結果につながります。
例え本革シートであってもマイナス査定となりますし、本革シートだからといって、必ずしも査定額アップを見込めるわけではありません。
【査定DOWN】タバコのコゲ・穴あき等
本革シートにタバコのコゲや穴あきなどがある場合には、へたりや汚れの状態と同じく車の査定ダウンを避けられません。
査定を受ける前には車内の臭い対策が必須とはいえ、車内や本革シートの消臭方法として芳香剤を使ってはいけません。
芳香剤の香りは車査定で不利な状況を引き起こしかねないため、無臭を前提とした消臭で臭いの緩和を目指すことが大切です。
【本革シート】減点と具体的な減額内容
本革シートの交換で査定ダウンが起こる場合には、点数の減点が以下の通りになっています。
- フロントシートの交換を要する場合には50点の減点
- リアシートを交換する場合には100点の減点
点数表記1点は1,000円程度ですから、クラス係数を考慮しなければ、本革シートの交換で5万円もしくは10万円もの減額が発生します。
本革シートの交換を求められない場合でも、本革シートの状態に応じて10点から60点ほどの減点になります。
本革シート(レザーシート)は日々のメンテナンスが査定に影響する
高温や紫外線にさらされる環境下で使用される車の本革シートは、家に設置する本革ソファとは表面の加工などが基本的に異なります。
近年では素材の技術進歩で丈夫な本革シートも登場していますが、それでも日々のメンテナンスをしないと劣化を遅らせることはできません。
車査定で本革シートのマイナス査定を避けつつ、プラス査定を得たいのなら、以下のメンテナンスを普段からこまめに行いましょう。
① | 全体に掃除機をかけて大きなゴミを取り除く |
② | ホウキとチリトリで細かいゴミやホコリを取る |
③ | しっかり絞った白のタオルや雑巾で水拭きをする |
掃除機やホウキを使う際には、本革シートに強く押し付けるように使用してはいけません。固く絞ったタオルや雑巾も優しく丁寧に使い、本革シートのへたりを防ぎたいときには着座姿勢の見直しを実践してください。
車両を車庫に入れて直射日光を防いだり、車内での喫煙をやめることも本革シートの状態維持に欠かせない要因といえるかもしれません。
シートの交換や張り替え、クリーニングする必要なし
本革シートに取り除けない汚れなどがある場合には、車査定でマイナスとなってしまいますが、そのままの状態で売却する方法があっています。
確かにシートの交換や張り替えをすると、汚れの無いシートで車査定を受けられるものの、発生した費用の負担は売却時の差額でカバーを望めません。
高級車のシート交換は1つでも15万円から30万円程度かかりますが、高級車の本革シートはプラス査定で11万円が最大評価になっています。
これでは損にしかならず、クリーニングも5万円前後の費用がかかりますから、車査定を受ける前にシート交換やクリーニングを行う必要はありません。
本革シートの有無にかかわらず高く売るなら”車一括査定”
車買取店と提携したうえでサービスを展開している車一括査定は、車買取店に一括で車査定を依頼できるインターネット上のサービスです。
公共性の高くない車一括査定は基本的に無料で役立てられますし、利用者は自宅にいながら簡単な手順で車査定を申し込めます。
買取業者の談合防止こそ必須になりますが、車一括査定では複数社の競合を起こせますので、上手く活用すれば車の高価買取も夢ではありません。
本革シートと車査定の関係まとめ
本革シートと車査定の関係をまとめると、以下の通りです。
- 本革シートはJAAIの提示する査定項目に該当。車査定で買取額アップを見込める鉄板オプション
- 本革シートの評価基準は車のクラスと年式であって、初度登録から1年ほどの高級車なら本革シートで最大11万円ものプラス査定を受けられる
- 本革シートが車種の標準装備になっている場合には基本的な査定額に含まれ、個別のプラス査定は得られない
- 本革シートのプラス査定はあくまでも純正オプションを対象にしている