- 車査定とワンオーナー中古車の関係
中古車を査定してもらい売却に出す場合、ワンオーナーであることが高く評価される場合もあります。今まで1人だけのオーナーに新車として購入された後に売却され、新たに中古車市場に出回った車のことをワンオーナーと言います。
状態の良いワンオーナー中古車は人気が高くなる場合もありますが、実際には査定額UPは厳しいと言えるでしょう。今回はワンオーナー中古車の特徴や厳しい現実について情報をまとめますので、参考にしてみてください。
ワンオーナー中古車の評価や価値は高いが”査定額UPの期待は低い”
まずワンオーナー中古車の評価や価値が高いと言われている理由ですが、以下の通りです。
- 新車として購入された車であることが定義である
- オーナーの人数が1人であるため履歴がわかりやすい
- 新車から同じ人が所有していたため保証書や点検記録簿などが残っている可能性が高い
このように複数の人に使われているよりも、人数に限りがあるためイメージの良さから評価や価値が高いのです。
しかし価値が高いといってもそれが実際の売却時に有利になるわけではなく、査定額UPの期待は低いのではないでしょうか。
ワンオーナー中古車が人気の理由と『4つのメリット』
査定額UPの期待は低いものの、ワンオーナー中古車には人気の理由と4つのメリットがあります。そのため査定額UPが期待できないからと簡単にあきらめてしまうのではなく、まずはどのようなメリットがあるか理解すると良いでしょう。
【メリット1】前所有者の履歴や乗り方がわかる
上記にもある通り経歴がわかりやすいことがメリットであり、どのような乗り方をされていたかがわかる場合もあります。たとえば5人のオーナーがいた中古車の場合、そのうち1人でも悪い乗り方をしていれば状態は悪くなるでしょう。
オーナーの数が1人しかいない場合状態をチェックして良ければ、大切に乗られていたとわかるのではないでしょうか。
【メリット2】比較的に年式が新しく走行距離が少ない場合が多い
中古車の売却では、以下のポイントによって査定額が決定すると言われています。
- 車種
- 年式
- 走行距離
- ボディーカラー
プロの査定スタッフはこれらを総合的に判断して査定額を提示しますが、このうち走行距離については少ない方が高額になりやすいです。走行距離の長い車はそれだけ長く使われていたことになり、状態が悪くなりやすいためです。
【メリット3】傷や凹みが少ないケースが多い
以下の条件が揃っていれば、車の傷や凹みについてはあまり心配しなくても良いかもしれません。
- 前所有者の乗り方が良く大切に扱われていた
- 年式が新しい
- 走行距離が少ない
傷や凹みの数が多く車全体の状態も悪く、乗り潰す直前の状態であればたとえワンオーナーであってもイメージは悪くなるでしょう。
たった1人でも運転していた人がいるのであれば、ある程度傷や凹みがあるのは仕方がないでしょう。それでも傷や凹みが少ないケースがあることが、メリットと言えます。
【メリット4】整備が行き届いている(整備記録簿があるケースも)
同じ車を所有していたオーナーの数が多いほど、整備内容が不透明になりやすいものです。1人のオーナーが整備記録簿をきちんと保管していたとしても、他のオーナーがいい加減な人であれば紛失の可能性もあるためです。
整備内容が不透明な場合、以下の情報がわからなくなるでしょう。
- 事故歴
- 修復歴
- 前所有者の所在
昭和時代では整備内容の不透明さが問題視されていましたが、現在では整備記録簿があるケースもあるため人気が高くなったのかもしれません。
【ポイント】ワンオーナーの新古車の4つの特徴
ワンオーナーの新古車の特徴をまとめると、以下の通りです。
- 広告上では未使用者として紹介されることもある
- 完全な未使用者ではなく車検を通すために新車の業者が名義人となる
- 新車と大きく変わらない好条件で中古車市場に流れている
- 比較的良い状態が保たれている
正確に言えば完全なるワンオーナーとは異なるものの、上記の通り好条件が揃っているのではないでしょうか。一般的な中古車と比較すると、状態が良いことが特徴です。
なぜワンオーナーの中古車は人気なのにプラス評価じゃならない理由
人気があるにも関わらずプラス評価が期待できないのには理由があり、ワンオーナーだからといって過剰な期待をすることはおすすめできません。勘違いしてしまう人は以下に挙げる理由をきちんと理解してから売却を検討してください。
【根拠】JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)に査定項目なし
JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)により査定項目が設定されていますが、中古車がワンオーナーであるかどうかは項目にないのです。つまり売却時の査定ではワンオーナーであることを理由に、加点も減点もされません。
しかし中古車の査定を行う車買取店が独自の裁量で加点や減点できるシステムもあるため、まったく関係ないとは言えません。もしもワンオーナー中古車の査定額が高い場合、独自の裁量によって加点されたと考えましょう。
オークション会場ではワンオーナー専用売買スペースがある
全国から多数の中古車買取業者などが集まるオートオークションの会場では、ワンオーナー専用売買スペースが設けられることもあります。状態が良く商品として魅力が高いと、それに比例して落札額も高くなる可能性もあります。
そして会場には以下のような特徴も見られます。
- ワンオーナー以外の中古車の販売はできない
- ワンオーナーの中でも特定の条件を満たしたものに限られる
中古車販売価格から査定額への影響を確認してみよう
上記した通りワンオーナーであることが加点の対象となるわけではないため、査定額への影響は独自の裁量を除いては基本的にないでしょう。ただし特定の条件が揃っていれば、例外として加点の影響が及ぶかもしれません。
加点の影響といっても査定額が大きくUPするわけでもないため、あまりこだわる必要はないでしょう。大きくUPするわけではないことは、中古車販売価格から車種別に査定額を比較してみるとわかるかもしれません。
中古車販売価格から車種別に査定額を徹底比較
トヨタ「プリウス」のケース
プリウスのワンオーナー車とそうでない車で比較すると上記の価格となりました。走行距離やオプションの違いを考えると、ワンオーナー車で大きな違いがあるというのは考えにくいでしょう。
日産「ノート」のケース
プリウスと同様に走行距離やオプションのことを考えると、価格差にワンオーナーの影響は少ないと思われます。
ホンダ「N-BOX」のケース
限りなく近い条件で、ワンオーナーとそうでない車をN-BOXで比較してみると、ほぼ価格に差はありませんでした。
ダイハツ「タント」のケース
見てもらえばわかるとおり、ワンオーナーではない車のほうが価格が高くなっています。つまり、ワンオーナーよりもオプションや走行距離のほうが影響が大きいということになります。
スバル「インプレッサ」のケース
同じ条件で調べてみると、インプレッサも同様に特に大きな違いはありませんでした。
スズキ「ソリオ」のケース
価格を比較すると10万円ほど差をついていますが、オプションや走行距離をふまえるとワンオーナーの差は少ないはずです。
価格を比較してみて、ワンオーナー車というのはプラス査定になるかもしれませんが、そこまで大きな影響があるとはいえないでしょう。
中古車の高価査定を狙うなら”車一括査定がおすすめ”
ワンオーナーを含む中古車の売却で高価査定を狙うのであれば、以下のような特徴を持つ車一括査定がおすすめです。
- 情報を入力すれば1分から3分程度で申し込みができる
- 一度に複数の業者の情報を比較することができる
- 複数の業者が参加して競合が起こる場合もある
短時間で複数の情報を比較できることが、車一括査定のメリットです。
【結論】賛否両論あるが査定額の大幅UPは厳しいのが現実
車査定とワンオーナー中古車の関係をまとめると、以下の通りです。
- 例外はあるものの査定額の大幅UPは厳しい