- 車売却時の譲渡証明証の書き方
自動車を売却する時には、いくつか作らないといけない書類があります。その中の1つが譲渡証明書になります。
車には税金などがかかりますので、所有者が知らない間に名義変更などされることがないように、必ず譲渡証明書が必要になるのです。逆に言えば譲渡証明書がなければ、車売却に関わる諸々の手続きを進めることができないのです。
それだけ大事な書類になるため、しっかりと書き方などを覚えておくといいでしょう。ただ車買取業者に売却をした時などは店舗側が勧めてくれます。
【記入例】車売却時の譲渡証明証の書き方(テンプレ)&ダウンロード先
譲渡証明書については定まった様式があります。この書類ですが国土交通省のホームページから、ダウンロードが可能です。21号様式譲渡証明書というものになります。では書き方についても解説をしていきましょう。
1つ1つを見ていきますので、特に難しいこともありません。また業者との取引では記入する欄などを教えてくれます。
個人売買などで自分で作成する場合などは、情報を参考にして記入ミスなどがないように書類を作ってください。
【書き方①】車の情報を記入(車検証用意)
車売却をした後に書く譲渡証明書ですが、用紙の最上段になる部分に譲渡する車の情報を記入していきます。
記入する欄は全部で4種類あります。
- 車名
- 型式
- 車体番号
- 原動機の様式
といった項目があるのですが、これは車検証の内容に従って記入するようにしてください。
業者に委任する場合は、自分で書く必要はありません。ただ自分で記入するのなら、ミスのないように車検証を確認しながら書いていくようにします。
【書き方②】譲渡人・譲受人と住所を記入
譲渡証明書の2段目には譲渡人と譲受人の氏名、住所を記入する欄があります。ここに旧所有者となる譲渡人から記入してください。その下の欄に譲受人の氏名などを記入していく形です。
- 譲渡人の氏名や法人名、住所を書く
- 譲受人の氏名や法人名、住所を書く
という流れになります。
【書き方③】譲渡する年月日を記入
次に譲渡証明書の中に、譲渡する年月日を記入していきます。各場所としては譲受人の氏名と住所を書く欄の左側です。この日付については個人売買なら提出する当日で構いません。
業者と取引しているのなら、年月日については任せましょう。
旧住所と現住所の間がわかるようにしなくては、書類の不備となって受付してもらえません。この点は忘れないように注意しておきましょう。
【書き方④】実印を押す
最後に旧所有者となる譲渡人が実印を押印して終わりです。押印する前には書類に不備がないかどうかをしっかり確認してください。
押印する場所は譲渡人の氏名と住所を書いた欄の右側にあります。
ここで実印が必要になるのは譲渡人のみです。譲受人の実印は不要となります。個人売買で自分で手続きをする時には、この点を覚えておくといいでしょう。大事なことですので、再度確認しておきます。
実印を押すのは譲渡人のみです。間違って譲受人のハンコを押さないようにしてください。
【書き方⑤】捨印は絶対必要ではない
譲渡証明書の書類を作る時に、気をつけていても間違ってしまうことがあります。この時に捨て印は必要なのでしょうか。
結論からお伝えしますと、捨て印は絶対に必要なわけではありません。
- 車名や型式などを記入する欄は訂正印でしか修正できない
- 譲渡人や譲受人の氏名、住所欄のみ捨て印で訂正できる
という書類作り上のルールがあります。ですので捨て印については氏名や住所欄にしか使えないので用意しておく意味は薄いでしょう。すべて訂正印で修正をしてしまって問題ありません。
【注意】譲渡証明証の作成で気をつけるべきポイント
譲渡証明書を作って上で気をつけるべきポイントがあります。
- 車検証の名義が所有者と違うケース
意外とこのポイントに気がつかない場合があるのです。
代表的なのは家族や友人から、車を譲ってもらったというケースでしょう。車検証の名義が所有者と異なる場合には、次の書類を用意してください。
この3つを揃えることで自分の名義に変更して、それから譲渡証明書を作成するという流れになります。
なぜ車売買に譲渡証明書が必要になるのか?その実態に迫る
車売却では譲渡証明書が必要になるとお伝えしてきましたが、いったいその理由はどこにあるのでしょうか。譲渡証明書とはいつ誰に譲渡されたのかを証明する書類になります。
これはその車に対する権利をすべて譲ったということになるので、売却以外にも必要となるのです。
【理由1】車検証の名義がディーラーやローン会社の場合
既に軽く触れましたが車をローンで購入していると、車検証の所有者の欄がディーラーやローン会社であるケースがあります。これは万が一に支払いができなくなった時の担保であるという意味です。
車売却をするとしても、この状態では売却ができません。ローンを既に完済しているのなら、上述の通りに所有者の名義元に連絡をすれば譲渡証明書を送ってくれます。
しかし残債があるというケースでは、名義変更をするのにローンを完済しなくてはいけません。交渉次第ではローンを残したまま、所有権を移してもらえることもあります。
【理由2】廃車手続きをする場合も譲渡証明証が必要
廃車をする時にも譲渡証明書は必要となります。ただしすべての手続きを自分で進めていく場合は必要ありません。
ですが多くの場合は、廃車買取業者に任せてしまいます。この場合は譲渡証明書を作成した後に名義変更をしなくてはいけません。
廃車買取業者としても名義変更をしなくては、その自動車の所有権を持つことができないため、後の手続きを進めることができないのです。
ですので買取業者に名義変更をした後に、廃車手続きを行うという形をとっています。
【理由3】譲渡証明証が必要なケースは主に名義変更
このように譲渡証明書が必要になるケースというのは、車の名義を変更する時が主となっています。譲渡証明書はその自動車に関する権利をすべて、移譲することになるのです。
そのため売却をするにしても、廃車をするにしても必要となります。ただし廃車手続きを自分で進める場合は、名義が自分の物ですから譲渡証明書を作成しなくても問題ありません。
車売却については買取業者に名義変更をしなくては話にならないでしょう。いずれにしても業者を通した場合は、そちらで手続きを進めてくれます。
譲渡証明証含め名義変更で必要な書類一覧
必要書類名 | 発行方法 | 費用 | 注意点 |
---|---|---|---|
譲渡証明書 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
以前の所有者の委任状 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者の委任状 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 新しい所有者の実印が押されている |
以前の所有者の印鑑証明書 | ・役所 ・コンビニ | 300円 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者の印鑑証明書 | ・役所 ・コンビニ | 300円 | 新しい所有者の実印が押されている |
新しい所有者の車庫証明書 | 警察署 | ・軽自動車(500~600円) ・普通自動車(2,000円~3,000円) | 発行してから1ヶ月以内のもの |
車検証 | 車の中 | 無料 | 車検が切れていないもの |
買取業者を通さず自分で名義変更を行う方法について以下の記事をご覧ください。
普通車・軽自動車の買取で必要な書類一覧
最後に車の売買で必要になる書類をご紹介します。
普通&軽自動車 売却時の必要書類一覧 | |||
---|---|---|---|
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
実印 | 〇 | – | |
認印 | – | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | – | 発行後1ヶ月以内のもの×2通 |
自動車検査証 (車検証) | 〇 | 〇 | 現住所、氏名の確認が必要 |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 | |
自動車納税証明書 | 〇 | – | 有効期限の確認 |
軽自動車納税証明書 | – | 〇 | 有効期限の確認 |
振込口座情報 | 〇 | 〇 | |
リサイクル券 | 〇 | 〇 | |
住民票 | △ | △ | ※住所変更が一度の場合 |
戸籍の附票 または住民票の除票 | △ | △ | ※住所変更が複数回あった場合 |
戸籍謄本 | △ | △ | ※結婚などで姓が変わっている場合 |
各買取店で作成する書類 (※準備必要なし) | |||
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
譲渡証明書 | 〇 | – | |
委任状 | 〇 | – | |
自動車検査証記入申請書 | – | 〇 |
譲渡証明書のほかにも、普通車と軽自動車で用意するものが違います。
詳しく知りたい方は「車売却の必要書類は9つ!普通車と軽自動車で異なる手配方法《全まとめ》」をチェックしてみてください。
車売却時の譲渡証明証の書き方まとめ
車売却時の譲渡証明証の書き方についてまとめると、以下の通りです。
- 車買取業者を通して売却するケースでは業者側で書類などをすべて用意してくれる
- 個人売買などのケースでは自分で手続きを進める。陸運局の窓口で書類をもらうか、国土交通省のホームページからダウンロード