下取りのとき「譲渡証明書って必要なの?」と疑問に感じた方もいるかもしれません。

結論からお伝えすると、譲渡証明書は下取りでは不要なケースが多く、必要になるのは主に車買取や個人売買のときです。
国土交通省の案内でも、名義変更時には譲渡証明書が必要と明記されています。(参照:国土交通省 自動車登録ポータル「移転登録の必要書類」)
ただし、下取りはディーラー側で名義変更を一括して行うため、書類の提出が不要になることが一般的です。
譲渡証明書のダウンロードは以下で行えます。
記入方法を間違えないためにも、本文の記入例を参考にしてください。
この記事では、譲渡証明書の書き方や譲渡証明書が必要になる具体的なケース、名義変更で必要な書類まで詳しく解説します。
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譲渡証明書の書き方とテンプレート【記入例あり】


譲渡証明書は、車の名義を変更する際に必要となる重要な書類です。
とくにディーラーでの下取りや買取業者への売却では、譲渡証明書を用意する場面が多く、自分で作成するケースも少なくありません。
ここでは、譲渡証明書の基本的な記入手順と注意点、国土交通省の公式テンプレートのダウンロード先について、実際の書式に沿ってわかりやすく解説します。
譲渡証明書の書き方とテンプレート
記入ミスを防ぐためにも、手順を確認しながら一つずつ丁寧に進めていきましょう。
1. 車売却用の譲渡証明書をダウンロードする
譲渡証明書は、国土交通省の公式サイトから無料でダウンロードできます。
必要な書式は「第21号様式 譲渡証明書」と呼ばれるもので、PDF形式で提供されているため、パソコンやスマートフォンから簡単に入手可能です。
ディーラーや買取業者が手配してくれるケースもありますが、個人売買や書類不備の予備として、自分でダウンロードしておくと安心です。
下記リンクから、最新版の譲渡証明書を取得できます。
譲渡証明書は運輸支局(陸運局)の窓口で直接もらうこともできます。
2. 車検証を見ながら車の情報を記入する


譲渡証明書の上部には、譲渡対象となる車両の基本情報を記入する欄があります。
- 車名
- 型式
- 車体番号
- 原動機の様式
車検証に記載されている情報をそのまま転記する必要があります。記入ミスや表記ゆれがあると、名義変更の際に書類不備となる恐れがあるため、車検証を手元に置き、内容を一字一句正確に確認しながら記入してください。



買取業者に依頼する場合は、こうした記入作業も代行してくれるため、自分で書く必要は基本的にありません。
ただし、個人売買などで自分で名義変更を行う場合は、書類の正確性が非常に重要になるため、慎重に記入を進めましょう。
3. 譲渡人・譲受人の氏名と住所を記入する


譲渡証明書の中段には、「譲渡人(旧所有者)」と「譲受人(新所有者)」それぞれの氏名・住所を記入する欄があります。
まずは譲渡人の欄に、現在の車の所有者となる個人名または法人名と、印鑑証明書に記載された正確な住所を記入してください。その下に、譲受人の氏名および住所を同様に書き入れます。
この欄に記載する内容は、名義変更手続きに直結する非常に重要な情報です。とくに住所の表記ミスや略称の使用(例:「丁目」を「-」で省略するなど)は、書類不備として受理されない原因になります。
記入後に誤りに気づいた場合は、訂正印を使って正確に修正しましょう。
4. 譲渡する日付を記入する


譲渡証明書には、実際に車を譲渡する日付を記入する欄があります。これは「いつ車の所有権を移したか」を明確にするために必要な情報で、名義変更などの手続きにも影響します。欄の位置は、譲受人の住所記入欄の左側にあり、「年・月・日」で記載します。
個人売買などで自分で書類を作成する場合は、譲渡日として「書類を作成した日」や「名義変更を予定している日付」を記入するのが一般的です。
一方、業者を通す場合は、記入日を任せられるケースが多く、空欄のまま提出するよう指示されることもあります。
なお、印鑑証明書に記載された住所と現住所が異なる場合は、住民票や戸籍の附票などを追加で求められることがあるため、譲渡日を記入する前に名義情報との整合性を確認しておくと安心です。
5. 実印を押す


譲渡証明書には、旧所有者である譲渡人の「実印」が必要です。
署名だけでは不十分で、必ず印鑑登録された実印を押印しなければ効力を持ちません。
押印する場所は、譲渡人の氏名・住所を記入した欄の右側にある「印」欄です。
この実印は、譲渡人だけが押す必要があり、譲受人の実印は不要です。



個人売買や自分で手続きするケースでは、うっかり譲受人も押してしまわないよう注意してください。業者を介した場合は、譲渡人の押印のみで問題ありません。
実印の押し忘れや不鮮明な印影は、手続き上の不備となり、再提出が必要になることもあります。事前に押印箇所を確認し、必要書類(印鑑証明書など)との情報が一致しているかを確かめてから押すようにしましょう。
6. 捨印は押さなくても問題ない


譲渡証明書を記入する際、「捨印(すていん)」を押すべきか迷う方も多いですが、結論からお伝えすると、必ずしも必要ではありません。
とくに車名や型式、車体番号などの車両情報欄に誤りがあった場合、訂正は捨印ではなく「訂正印」で行うのが正式な手順です。
捨印が利用できるのは、譲渡人や譲受人の氏名や住所など、個人情報の欄に限定されます。しかしこのような項目でも、訂正印での修正が原則とされており、捨印の有無によって手続きの可否が大きく変わることはありません。
そのため、わざわざ捨印を押す必要はなく、間違えた箇所があれば訂正印で対応すれば問題ありません。
譲渡証明書を作成するときの注意点
譲渡証明書を作成する際、単に記入項目を埋めるだけでなく、書類全体の整合性と名義の正確性を確認することが重要です。とくに見落としがちなポイントとして、車検証の「所有者欄」の名義が本人以外になっているケースがあります。
たとえば、家族や友人から車を譲り受けた場合、車検証の所有者欄がそのままになっていると、名義変更の手続きが完了していない可能性があります。この状態で譲渡証明書を作成しても、後続の名義変更がスムーズに進まないことがあります。



また、所有者がディーラーやローン会社のままになっている車両については、必ずその会社に確認を取り、譲渡証明書を送ってもらう必要があります。勝手に書類を用意しても無効となるため、事前の確認は不可欠です。
車検証の名義が所有者と異なる場合には、次の書類を用意してください。
- 譲渡証明書
- 委任状
- 印鑑証明書
この3つを揃えることで自分の名義に変更し、それから譲渡証明書を作成するという流れになります。
譲渡証明書が必要になるケース


譲渡証明書は、車の所有権を誰から誰へ移したかを正式に証明するための書類です。
車の売却時や名義変更の手続きにおいて、この証明書が必要になる場面は少なくありません。とくに個人売買や名義が第三者名義になっているケースでは必須となります。
業者を通じた売却であれば多くの場合は用意してもらえますが、ケースによっては自分で準備が必要になるため、事前に確認しておくことが重要です。
車売買に譲渡証明書が必要になる理由
名義変更が必要なケースでは譲渡証明書が求められる
譲渡証明書が必要となる代表的なケースは「車の名義変更」が発生する場面です。車の名義を他人に移すという行為は、法的に所有権を手放すことを意味し、その証明として譲渡証明書の提出が求められます。
たとえば、車を売却するときはもちろん、家族間や友人間で車を譲り渡すときにも、名義変更が必要になるため譲渡証明書が必要です。
名義が変わらないままでは、新しい所有者が車を正式に使用・管理できないばかりか、税金や自賠責保険の責任も旧所有者に残り続けることになります。
このように、誰に名義が移るのか、その経路を明確に記録する役割を担うのが譲渡証明書です。とくに買取業者や中古車販売業者を介した取引では、必ず用意する必要があります。
名義がディーラーやローン会社になっている場合
車検証の「所有者欄」がディーラーやローン会社の名義になっている場合、その車は自分の名義ではないため、そのままでは売却できません。これは、車のローンを組んだ際に、返済が完了するまで担保として所有権が販売会社や信販会社に留まっているケースがほとんどです。



もしすでにローンを完済しているのであれば、ディーラーやローン会社に連絡をすれば、譲渡証明書を発行してもらえます。
この書類をもとに名義を自分に移し、そのうえで売却手続きを進める流れになります。
一方で、ローンの残債がある場合は注意が必要です。基本的にはローンを完済しない限り、所有者変更(=売却)は認められません。
ただし、場合によっては、買取業者が残債分を清算する前提で所有権を引き受ける方法もあります。こうした対応が可能かどうかは業者によって異なるため、あらかじめ相談しておくとスムーズです。


廃車手続きには譲渡証明書が必要になる
車を廃車にする場合も、譲渡証明書の提出が求められるケースがあります。とくに廃車買取業者などに車の引き取りを依頼する場合、その業者が車の名義を一度自社に移す必要があるため、譲渡証明書の準備が不可欠です。
譲渡証明書がなければ、業者側は名義変更ができず、正式に車を引き取ることができません。その結果、廃車処理が遅れたり、登録上の所有者が自分のまま残ってしまったりするリスクもあります。
とくに自動車税や自賠責保険の関係で余計な手間が発生する可能性があるため、譲渡証明書の提出は早めに対応するのが安心です。
一方、自分で廃車手続きを行う場合は、自身がすでに所有者であるため、譲渡証明書は不要です。ただし、その場合でも必要書類の準備や陸運局での手続きが複雑になることが多いため、多くの方は業者に任せるケースが一般的です。


名義変更で必要な書類一覧
必要書類名 | 発行方法 | 費用 | 注意点 |
---|---|---|---|
譲渡証明書 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
以前の所有者 「委任状」 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者 「委任状」 | ・インターネット ・買取店 | 無料 | 新しい所有者の実印が押されている |
以前の所有者 「印鑑証明書」 | ・役所 ・コンビニ | 300円 | 以前の所有者の実印が押されている |
新しい所有者 「印鑑証明書」 | ・役所 ・コンビニ | 300円 | 新しい所有者の実印が押されている |
新しい所有者 「車庫証明書」 | 警察署 | ・軽自動車(500~600円) ・普通自動車(2,000円~3,000円) | 発行してから1ヶ月以内のもの |
車検証 | 車の中 | 無料 | 車検が切れていないもの |
車の名義変更には、旧所有者・新所有者それぞれが用意すべき書類があります。
なかでも重要なのが、譲渡証明書や委任状、印鑑証明書といった「所有権の移転に関わる書類」です。譲渡証明書や委任状はインターネットや買取店で入手でき、費用はかかりませんが、それぞれの書類には実印の押印が必要になります。



個人売買などの際、譲渡証明書は旧所有者(売り手側)が用意します。
印鑑証明書は役所やコンビニで発行可能で、1通あたり300円前後が相場です。新旧の所有者それぞれが用意する必要があり、有効期限内(発行から1か月以内)のものを使います。
また、新しい所有者が用意する「車庫証明書」は、軽自動車なら500〜600円程度、普通車なら2,000~3,000円程度の手数料が必要で、警察署で発行されます。
そのほか、車検証も忘れずに持参しましょう。車検が切れていないかどうかも名義変更の可否に影響します。


普通車と軽自動車で違う?買取時に必要な書類一覧
最後に車の売買で必要になる書類をご紹介します。
車を売却する際には、普通車と軽自動車で必要となる書類に違いがあります。
また、住所変更や結婚による姓の変更がある場合は、住民票や戸籍の附票なども追加で求められることがあります。



店舗側が作成してくれる書類(譲渡証明書、委任状など)については、通常、買取業者がその場で用意してくれるため、ユーザー自身が事前に準備する必要はありません。
詳しく知りたい方は車買取の必要書類をまとめたこちらの記事をご覧ください。
譲渡証明書が必要なのは普通車|軽自動車では別書類で対応
譲渡証明書が必要になるのは、基本的に「普通車」の名義変更を行う場合です。
軽自動車の名義変更には「自動車検査証記入申請書」という書類が使用され、これが譲渡証明書と同等の役割を果たします。
この申請書は運輸支局ではなく軽自動車検査協会で手続きを行うもので、印鑑証明や実印の提出も不要な点が普通車との大きな違いです。
まとめ|譲渡証明書の準備でスムーズに車を売却するために
譲渡証明書は、車の名義変更に必要となる重要書類ですが、「下取りでは原則不要」や「買取や個人売買では必須になる」といった違いがあります。
正しく理解していないと、思わぬ書類の不足で手続きがストップしてしまうこともあります。
以下に、譲渡証明書の取り扱いについて要点を整理します。
- ディーラー下取りでは譲渡証明書が不要なケースが多い
- 買取業者や個人売買ではほぼ必須
- 記入には旧所有者の実印が必要
- 普通車は「譲渡証明書」、軽自動車は「自動車検査証記入申請書」で代替
- 譲渡証明書はネット・業者からのダウンロードで入手可
- 実印・印鑑証明とのセットで準備が基本
譲渡証明書の準備の流れは以下のとおりでした。
国土交通省のサイトや買取業者からダウンロード可能。運輸支局(陸運局)の窓口でも入手できます。
車両情報、譲渡人・譲受人の住所・氏名、譲渡日など。車検証に記載されている情報をそのまま転記する必要があります。
譲渡人(元の所有者)の実印が必須。譲渡人だけが押す必要があり、譲受人の実印は不要です。
できれば書き直すのが安全。車名や型式、車体番号などの車両情報欄に誤りがあった場合、訂正は捨印ではなく「訂正印」で行うのが正式な手順です。
「譲渡証明書が必要なタイミング」や「名義変更での扱い」が曖昧だと不安になる方も多いですが、基本を押さえておけば焦る必要はありません。



筆者が実際に車を売却した際も、買取業者ごとに対応の違いがあったため、事前に準備することが安心につながります。