車のエアコンが故障していると、買取査定で減額になることがあります。
実際、JAAI(日本自動車査定協会)の査定基準でも、エアコンの状態は評価対象とされており、動作不良や異音、冷風が出ないといった症状があると、内容に応じて減点されます。

ただし、すべてが大きな減額になるわけではなく、軽度な不具合であれば減額は1万円前後にとどまるケースもあります。
修理するか迷ったときは、修理費用と査定額の差を冷静に見極めることが大切です。
この記事では、査定時に影響するエアコンの症状ごとの減額目安や、修理すべきかどうかの判断基準をわかりやすく解説します。
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車のエアコンが故障中!査定額は最大『4万円前後』減額される


車のエアコンが故障している場合、査定額は最大で4万円前後の減額となる可能性があります。
ただし、減額の幅はエアコンの故障の程度によって異なります。
たとえば、温度の上昇や下降が遅いといった軽度の故障もあれば、エアコンをつけた際に強い臭いがしたり、タバコのにおいが残っているといった症状だけのこともあります。全く作動しない場合と比べれば、これらによる減額はそれほど大きくありません。
一方で、大がかりな修理が必要なケースでは注意が必要です。
たとえば、異音がする、風しか出ないといった場合は部品の交換が必要となるため、査定時の減額幅も大きくなりやすい傾向があります。
エアコン故障の査定時の減額
エアコンの故障といっても、修理内容によって査定額への影響は大きく変わることを知っておきましょう。
エアコン故障の減点評価はJAAI基準に基づく
車のエアコンが故障している場合、どのような基準で査定額が下がるのか気になるところです。
一般的な中古車の査定は、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の定める評価基準に沿って行われます。
この基準では、車の状態に関する査定項目が細かく分類されており、それぞれに応じた減点ルールが定められています。走行距離や年式といった基本的な条件だけでなく、エアコンの作動状況も評価対象の一つです。
たとえば、冷風・温風がしっかり出るか、異音や臭いがないかなど、機能面での不具合があると、それに応じた減点が行われる仕組みになっています。



査定評価についてまとめた解説は『車買取でプラス査定になる【全13ポイント】査定士が見るのはココだ!』をご覧ください。
軽度なエアコン故障の場合「1万円前後の減額で済むケースも」
JAAI(日本自動車査定協会)の基準では、エアコンに軽度な不具合がある場合、減額は1万円程度にとどまるケースが多くなります。
とくによくあるのが、ガスチャージやフィルター交換が必要な状態です。
| 主な症状 | 原因 | 必要な対応 | |
|---|---|---|---|
| ガスチャージ | ・冷えが悪い ・冷風が弱い | 冷却用ガスの不足、またはガス漏れ | ガスの補充または漏れ点検 |
| フィルター交換 | ・風にカビ臭やタバコ臭がある | フィルターの劣化や汚れ | フィルターの交換 |
冷風が生ぬるく、なかなか車内の温度が下がらない場合は、ガスが不足している可能性があります。ガス補充だけで済むことも多く、大がかりな修理にはならないため、減額は軽微です。
一方、風に不快な臭いがある場合は、エアコン内部のフィルターに汚れがたまっていることが原因です。こちらも交換すれば改善できるため、査定での影響は小さく抑えられます。



どちらも修理の難易度は高くなく、費用も比較的抑えられるため、査定時の大幅な減額にはつながりにくいのが特徴です。
重度のエアコン故障の場合「約4万円の減額になることも」
JAAI(日本自動車査定協会)の基準では、エアコンの機能が停止していたり、大規模な修理が必要な状態では、おおよそ4万円前後の減額となり、車の売却価格に大きく影響します。
特に以下のような故障が該当します。
| 主な症状 | 原因 | 必要な対応 | |
|---|---|---|---|
| コンプレッサー故障 | ・エアコンがまったく作動しない ・冷風が出ない | コンプレッサーの劣化や故障 | コンプレッサーの交換 |
| ブロワモーター故障 | ・風が出ない | モーター不良または配線トラブル | ブロワモーター交換 |
| アクチュエーター不良 | ・冷風と温風の切り替えができない | エアミックスアクチュエーターの故障 | 切替機構の部品交換 |
| 電装系トラブル | ・作動時にヒューズが切れる、電源が落ちる | 配線ショート、回路の断線など | 電気系統の点検・修理 |
これらはいずれも、単純なパーツ交換では済まず、作業工数が多く、修理費用も高額になるため、査定時に大きな減額につながる点が共通しています。
とくにコンプレッサーや電装系トラブルは、故障の内容によってはエアコン全体の入れ替えが必要になるケースもあり、買い取り業者側としても大きなマイナス評価を避けられません。
売却前にエアコンの状態を一度チェックしておくと、不要な減額を防げる可能性があります。
車査定・下取リ前にエアコン故障は修理すべき?そのまま売却?


エアコンに不具合があるまま車を査定に出しても大丈夫なのか、それとも修理してから売却すべきなのか。
この判断は、車の状態や修理費用、査定額への影響によって変わってきます。
修理する場合とそのまま売る場合の考え方
ここでは、修理する場合とそのまま売る場合の考え方を整理してみましょう。
【エアコン箇所別】修理にかかる費用一覧
エアコンの故障といっても、どの部位に問題があるかによって修理内容も費用も大きく変わってきます。
以下は、よくあるエアコン不具合ごとの修理費用の目安です。
| 故障箇所 | 修理費用の目安 |
|---|---|
| ガス漏れ・ガスチャージ | 5,000円~30,000円 |
| コンプレッサー交換 | 30,000円~50,000円 |
| ファンモーター交換 | 40,000円~60,000円 |
| エバポレーター交換 | 30,000円~70,000円 |
| エアミックスアクチュエーター交換 | 15,000円~30,000円 |
| ブロワモーター交換 | 20,000円~40,000円 |
| フィルター交換 | 3,000円~8,000円 |
| 電装系統の点検・配線修理 | 10,000円~30,000円 |
| 診断・点検費用(初期確認) | 10,000円~15,000円 |
軽度なフィルター交換やガス補充で済む場合は費用も抑えられますが、コンプレッサーやエバポレーターなどの主要部品に不具合があると、修理費用が数万円に及ぶこともあります。
さらに、アクチュエーターや電装トラブルの場合は、原因特定にも時間と費用がかかることがあります。
実際の費用は、車種や年式、修理を依頼する店舗によって異なります。事前に点検を受け、見積もりを取ってから判断することが大切です。
車査定前にエアコン故障は修理する必要なし
結論から言うと、車査定の前にエアコン故障を修理する必要はありません。
そう言えるのは、以下のような理由があるからです。
- 修理費用が高くつく
- 修理しても査定額が必ず上がるとは限らない
エアコンの修理は、内容によっては意外と費用がかかります。
たとえば、ガスのチャージだけでも2万円から3万円ほどかかることがありますし、コンプレッサーを交換する場合は5万円前後になることもあります。



一方で、ガス不足による不具合なら査定上の減額は1万円程度、コンプレッサーが故障していても最大で4万円程度の減額です。
そのため、自費で修理してもかえって費用のほうが上回り、結果的に損をすることになります。
さらに、エアコンを修理しても査定額が上がるわけではなく、「マイナス評価を受けないだけ」です。
費用対効果を考えると、軽度の不具合であれば無理に修理せず、そのまま査定に出したほうが納得のいく取引につながることも多くなります。
エアコンの故障は車査定で必ず伝えるべき「隠して売るのはNG」


エアコンの不具合があることを知りながら黙って査定に出すのは、トラブルのもとになります。
たとえ査定士が気づかなかったとしても、売却後に故障が判明すれば、あとから責任を問われる可能性もあります。
とくに個人間売買や一部の業者では、故障を「隠していた」と見なされるケースもあるため注意が必要です。
どんな内容であっても、正直に伝えておくことが安心につながります。


エアコン故障を申告しないと「後からの責任」を問われることも
エアコンに不具合がある場合、査定士から何か聞かれたときには、必ず正直に答えることが大切です。
特に「故障している箇所はありますか」などと聞かれたにもかかわらず、「ありません」と答えてしまうと、後からトラブルにつながる可能性があります。
現在の民法では、売買契約において商品(この場合は車)が「契約の内容に適合していない」と判断された場合、買い手側は一定の期間内であれば修理・代金減額・損害賠償・契約解除などを請求できると定められています。
これがいわゆる「契約不適合責任」です。(参照:国民生活センター「債務不履行責任と契約不適合責任」)
つまり、聞かれた内容に対して事実と異なる回答をすると、後から「契約の内容と違っていた」と見なされ、最悪の場合は売買契約の解除にまで発展するおそれがあります。
査定士から不具合の有無を聞かれた際には、たとえ軽度であっても正確に伝えておくことが、後々のトラブルを防ぐうえで重要です。
減額幅は小さいため、エアコンの不具合は正直に伝えたほうが安心
査定士から特に質問がなかった場合でも、エアコンの不調について自分から伝えておくべきか迷うことがあるかもしれません。
「あとから何か言われたらどうしよう」と不安に感じる方もいるでしょう。そのような場合は、あらかじめ正直に申告しておくほうが安心です。
エアコンの不具合による減額は比較的軽微で、ガス不足やフィルターの汚れといった軽度の症状であれば、査定額にほとんど影響しないこともあります。
仮に減額があったとしても、1万円前後にとどまるケースが多くなっています。



また、正直に申告したことが査定士に好印象を与え、別の箇所でプラス評価につながることもあります。
大きなトラブルを避ける意味でも、気になる症状がある場合は素直に伝えておくのが得策です。
まとめ|エアコン故障があっても車は売れる。減額の目安と正しい対応を整理
車のエアコンに不具合がある場合でも、買取査定では状態に応じて減額幅が大きく異なります。
ここでは、記事全体で解説してきたポイントを振り返りながら、売却時に意識すべき判断基準と対応方法を整理しておきましょう。
- 軽度な不具合(ガス不足、臭いなど)は、減額が1万円前後で済むケースが多い
- 重度の故障(コンプレッサー不良、電装トラブルなど)は、減額幅が約4万円に達することもある
- 修理費用のほうが減額幅を上回ることが多く、無理に修理しても費用対効果は合わない
- 査定士に聞かれた場合は必ず正直に答え、トラブル回避につなげることが大切
エアコンの状態に不安がある場合は、次のような流れで対応すれば安心です。
冷風の出方や異音、臭いの有無など、普段使っていて気になる点を整理しておきましょう。
軽度な不具合であれば修理せずそのまま査定に出したほうが、結果的に損をしにくい傾向があります。
聞かれた内容には正確に答えることで、契約不適合責任のリスクを回避し、安心して売却につなげられます。
エアコンの故障があるからといって、大きく損をするとは限りません。
必要以上に構えず、正しい知識を持って対応すれば、納得のいく売却につながります。
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| 項目 | 詳細記事 |
| 事故歴&修復歴や改造がない | 車買取で修復歴・事故歴あり |
| 車検が残り3ヶ月以上残っている | 車検切れでも車は売れる |
| 外装・内装の傷や凹みがない | 車買取の傷・へこみの【減額目安】 |
| エンジンや足回りの状態 | – |
| 人気ボディカラー(白・黒・シルバー) | 車査定は色の違いで変わる |
| 走行キロ数が標準(1年1万キロが標準) | 車査定に響く走行距離の目安 |
| ABS・サンルーフ・カーナビなどの装備が充実 | 車査定でサンルーフは査定額UP |
| 本革シートの有無と状態 | 本革シートは買取額UPの鉄板オプション |
| アルミホイールの有無 | 純正ホイールが有利?それとも社外品? |
| タイヤの残り溝が1.6mm以上(スリップサイン) | 車査定でタイヤの影響はほぼナシ |
| ワンオーナー | ワンオーナー中古車 |
| 禁煙、子供の有無、腐食等 | シート汚れや破れやタバコの穴 |
| ペットは車査定で100%悪影響 | |
| 必要書類が全部揃っている | 中古車購入は記録簿をチェック |

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