- 定期点検記録簿について
- 記録簿なしの中古車を購入するリスク
- 記録簿を見るときのチェックポイント
中古車を初めて購入する時に、きちんと動く車だろうかと不安に思う人もいます。そうした不安を解消する上で重要なのが、記録簿と呼ばれるものです。
実際に中古車販売店に行くとわかりますが、記録簿ありやなしといった記載があります。この記録簿とは、いったいどのような役割を持つものなのでしょうか。
ここでは記録簿がどんなものか、どのような内容が記載されているのかなどを中心に、詳しく調べてみました。
中古車の購入でよく見る”記録簿”とは?正式には定期点検記録簿
では記録簿とはどのようなものなのでしょうか。正式には定期点検記録簿と呼ばれています。端的にお伝えするのなら、対象となる車がどのような整備を過去に行なっているのかが記録された書類になります。
- 12ヶ月点検
- 24ヶ月点検
- 車検
上記のような法定点検を行なったときには必ず記入しないといけません。ちなみに法定点検の中には車検も含まれます。中古車を購入する時に記録簿を確認できれば、前のオーナーがどの程度の頻度で整備を行なっていたのかがわかるのです。
中古車を購入する時の不安の1つが、やはり車の状態がわからないことでしょう。ですが記録簿を見ることができるのなら、ある程度は車の状態も把握できると言えます。
記録簿から何がわかる?5つの情報がわかる
記録簿とは法定点検を行なった時に記入するものだとわかりました。次に法定点検を見ることで、何がわかるのかを確認していきましょう。
- どこの工場で整備をしていたのか
- 前オーナーが大切にしていたのか
- 修理歴に残らない修理はあったのか
- 現在の車の状態はどの程度なのか
- 整備をきっちりとしているか
といった5つのことがわかります。端的にお伝えすると、記録簿にたくさんの情報が記載されているのなら、前のオーナーが大切に乗っていた証拠になります。また修理歴というのは、フレームの損傷など大きな物しか残りません。
ですので細かい修理があったのかも記録簿でわかるのです。
記録簿が発行されるタイミングは車検時がほとんど
では記録簿が発行されるタイミングについても確認しておきましょう。先述したように、記録簿というのは法定点検を行なった時に発行されます。そのため一般的には車検を受けた時に発行されるものがほとんどです。
車が好きで日頃からメンテナンスなどを、しっかりとしている人がオーナーであればもう少し頻度は上がるかもしれません。ですが基本的には車検時のみ記録簿があるという形になっています。
ちなみに車検時に発行される記録簿は詳細な整備内容が記載されます。なぜなら記録簿の提出する必要があるからです。
普段は業者に任せてしまう人が多いので、知らないという人も多いでしょう。ですので車検時の記録簿は詳細だと覚えておくと問題ありません。
記録簿なしの中古車を購入する『3つのリスク』
中古車の多くは記録簿があります。その理由は先述したように、車検時に発行されるものだからです。ですが中には記録簿なしという車もあります。そうした車は割安なことが多いのですが、当然リスクもあるので確認していきましょう。
【リスク1】点検の頻度がわからない
大きなリスクとして数えられるのが、点検の頻度がわからないということでしょう。基本的に記録簿がない、としても車検時には発行されるものなので、まだ車検を受けていない車なら理由がわかるかもしれません。
ですが車検を一度でも経ているのなら、必ず記録簿があるはずです。それがないということは、どの程度の頻度で点検をしていたのかがわかりません。つまりその車がどんな状態で乗られていたのかがわからないのです。
- 記録簿なしだと大事に乗られていたかわからない
- 記録簿を破棄しているため、雑に乗っていたのではという疑いが出る
大きくまとめると、こうしたリスクが発生します。むろん大事に乗っていたけども、記録簿を紛失してしまったというケースもあるかもしれません。ですが低い確率になるでしょう。
【リスク2】メーター戻しが行われている可能性がある
中古車の状態を見る時の目安として、代表的なのが走行距離でしょう。走行距離が年式と比べて、低いのか多いのかによって消耗度が違ってくるものです。
- 1年平均して1万km未満なら走行距離が少ない
- 1年平均して1万km以上なら走行距離が多い
というのが目安になります。一昔前の車と比べると、随分と最近のものは性能も上がっているので、一概に走行距離だけを目安にするのも間違っています。
ですが昔から言われてきたことなので、走行距離が多い場合は忌避されるのです。そこで気をつけたいのが、走行距離のメーターでしょう。
デジタルのものは改ざんが難しいのですが、機械式のメーターだとそれほど改ざんは難しくありません。そのためメーター戻しがあるかどうか、わからないというのは大きなデメリットです。
【リスク3】事故歴や修復歴を隠している可能性がある
記録簿がないということは、修理をした履歴がわからないのもデメリットです。修復歴というのは、先述したようにかなり大きな事故になります。そのため修復歴があると、大きく車の買取額が下がるのです。
そうした点から、事故歴や修復歴を隠したいという目的で、記録簿を破棄してしまう人もいます。記録簿がないことで買取額が下がるのですが、その下げ幅よりも修復歴があることで下がる価格の方が大きいからです。
- まともに走らないリスクがある
- 故障しやすい可能性がある
修復歴に残るような事故を起こしていると、いかに修理をしたとしても大きなダメージが残ります。そのため上記のようなリスクが発生する可能性が高いです。
中古車に記録簿がない理由
軽く前段でも触れましたが、記録簿がない理由とはどのようなものが考えられるのでしょうか。原則として記録簿というのは、飽くまでも付帯する書類です。車検証のように常備する書類ではありません。
そのため記録簿がなくても、車を売ることはできます。ではどのような理由で、記録簿がなくなるのでしょうか。
- 別の場所に保管していたなどで紛失した
- 個人情報が掲載されているので見られたくなくて破棄した
- 不都合な情報が記載されているため破棄した
などのようなケースが考えられます。単純に紛失したというだけなら良いのですが、他にも個人情報を見られたくないという理由で破棄する人もいます。また最後のケースはかなり悪質な部類だと言えるでしょう。
中古車の購入で記録簿を見るときのチェックポイント
次に記録簿を見る時のポイントも紹介しておきます。車の整備が好きだという人や、本職にしている人なら問題はないでしょう。ですが車に興味のない人からすれば、何を見ていいのかわからないはずです。
- どんな部品を交換したのか
- 指定工場か認証工場を利用しているのか
そこで上記の2点を確認するようにしましょう。部品の交換は主に3パターンがあります。
- 消耗品の定期的な交換
- 故障にともなう交換
- 事故の修理による交換
と3つがあり、消耗品なら問題はありません。ちなみに記録簿に記載されるXは交換を示し、三角のマークは修理を示すものです。工場については認証か指定工場であると安心できます。
一般の整備工場が悪いと言いませんが、分解整備が行えていないのがポイントだと考えてください。
記録簿がない中古車の購入には注意が必要
ここまで記録簿について解説をしてきました。では結論として、記録簿のない中古車の購入はどうすればいいのでしょうか。端的にお伝えするのなら、記録簿のない中古車を購入するのは注意が必要です。
ですが絶対に購入しない方がいいというわけではありません。確かに悪質なケースを考えると、故意に記録簿を破棄したかもしれません。ですが他方でただ紛失しただけなのかもしれないからです。
可能性だけを考えるのなら、記録簿があるからといって全面的に信用するのも難しいのです。ですので自分が気に入った中古車があって、記録簿がないとしましょう。この場合は詳しい人に同行を頼むか、お店の人に相談してみるのも方法の1つです。
車を高く売ってお得に中古車を買おう
これだ!という中古車と出会えたのはいいものの、「あと少し安ければ…」と予算が気になって結局はあきらめてしまったという話をちらほら聞きます。
中古車販売業者と交渉することで値引きしてもらえることもありますが、どれだけでも安くできるわけではありません。
乗り換えの方なら、今乗っている車をできる限り高値で売却することで、予算にゆとりを持たせることも可能です。そのためには、車売却で一工夫することが必要になります。
一括査定というサービスをご存じでしょうか。ネットの申し込みで、複数の買取業者に査定依頼をすることができるサービスです。
一括査定なら、最高額をつける買取店を知ることができるので、とても便利なサービスです。また、複数の買取店に査定させるということは、他社と競争させるということでもあります。自分の店で売却してもらおうと、他店よりも高値を提示します。そのように競合させることで、査定額は吊り上がっていくような仕組みになっているのが大きな特徴です。
一括査定サービスは無料で使えるので、ぜひ申し込んでみてください。
まとめ
中古車を購入する時にチェックしたい記録簿についてのまとめでした。記録簿というのは、法定点検を行なった後に発行される書類です。
どこの工場でどんな部品を修理したのか、整備したのかなどが記載されています。この記録簿にあるデータを見ることで、ある程度は車の状態を予測できるでしょう。
ただしどの車にも記録簿があるわけではありません。中には記録簿のない中古車もあるので、購入する前にしっかりと確認してください。